2009年7月 6日 (月)

高橋コレクション

 ほんたうに上野は藝術の山でしたねえ、あちこち美術展の華が咲いてゐます。上野の森美術館では「ネオテニー・ジャパン」と題して、この10年くらいに日の目を見た現代アーティスト33人の作品が並んでゐます。精神科醫・高橋龍太郎氏が収集した現代美術の中から、選りすぐりの80點が展示してあります。

 こまっしゃくれ不機嫌な面の少女を描く奈良美智、「ルイ・ヴィトンのお花畑」と云ふ題の六曲一雙に銀箔とプラチナに描いた村上隆の屏風、巨大山椒魚に美少女が横たわる會田誠の「大山椒魚」、束芋の和紙にインクで描いたヘタウマな繪、日本畫のやうに精密油繪で戰國時代と現代が渾然となつた山口晃の作品、イエスが抜けた「イエス」と云ふ名の最後の晩餐(小川信治)、「Human Lesson (Dress 01)」と云ふ小谷元彦の作品は双頭の狼が肩に來る毛皮のドレスであつたり、何だか判らないものの、壓倒的な作家の訴へる力が溢れてゐます。新日曜美術館やトップ・ランナーに紹介されたやうな現代作品をこんなに見たのは初めて。さすがです。

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2009年7月 3日 (金)

銘品

 東京都美術館でやってゐる「日本の美術館名品展」を「表装展」の續きに觀る。全國にこんなに名畫があるとは知りませんでした。美術史で習つたやうな人が澤山出て來ます。日本も捨てたものぢゃありません。いちいち、擧げてると切りがありませんが、藤田嗣治の「夢」は裸婦の回りに猫や猿、鼠等が並ぶ涅槃像のやうな印象、竹内栖鳳の西洋風な天女繪、ゴッホの若い時青の時代の作品、東郷青兒の若い時の作品等が氣になりました。こんなにお寶が地方に眠つてゐるのなら、見に行かねばなりませんね。

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2009年7月 2日 (木)

表装作品展

 カルチャースクールで表装を習つてゐますが、私の先生は「表導會」に所屬し、その上にまた先生も居て、都内のカルチャースクールに先生を送つてゐます。自分で掛軸を作るやうになつてから、日本畫を觀る目も變はり、回りの生地の選び方や組み合はせも氣にするやうになりました。
 この間、先生の作品を見に東京都美術館へ。東京表具教師内装文化協會主催故、腕自慢の職人さんの作品がずらりと並びます。技巧に凝った作りから、斬新な意匠、布地に拘つた作品、傳統的な品のあるもの、樣々です。10年くらいしたら、末席に飾れるくらいの技が見に附くやう頑張ります。

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2009年7月 1日 (水)

澁谷に大學?

 生涯学習概論の報告書(レポート)を書く爲に、地元澁谷のことを色々調べてをりました。澁谷區内で公開講座を開いてゐるのは、青學、國學院、國聯の3大學だけのやうでしたが、他にシブヤ大學と云ふのを發見しました。
 澁谷の街自體を學舎とした生涯學習を推進する特定非營利活動法人でした。ですから文部科學省下、學校教育法上で定められた正規の大學ではありませんが、何か面白さうな講座があるやうです。毎月第3土曜日にしか開かれませんが、先づは家頁から學生登録をし、3週間前から授業告知を待つて、メールで申込みの上、抽選で授業を受けられる模樣です。
 今はとても無理ですが、時間を作つて參加してみたいものです。

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2009年6月30日 (火)

梅雨

Kasa 晴れたかと思ふと愚圖附いた天氣ばかりで嫌になりますが、手拭ひ額も模様替へ。蛇の目傘から清流に。少しは爽やかに氣分になりますか。もう一枚は昨年飾った「星合はせ」に。

Taki

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2009年6月29日 (月)

千穐樂

Sajiki 土曜日の和蘭GPでは、MotoGP級のヴァレンティーノ・ロッシが通算100勝目、250cc級の青山博一が優勝して今期二勝目と慶事が續いたと思つてゐたら、石川遼選手の運をも見方に附ける力強い強打に驚きました。自分はゴルフもしないし、中繼放送も見ませんが、深夜の運動報道で脇に二度も反れて9打の後、立て直して深芝からポールに當つて入る快打で優勝。全英選手権出場権を自らの手でもぎ取った17歳に沸きました。

 さて、この土曜日は歌舞伎座さやうなら公演、6月晝の部。仁左衛門の一世一代の《女殺油の地獄》。皆から大事されてゐることをいいことに、好き勝手放題の油問屋河内屋の若旦那、與兵衛。仁左衛門の大當たりと云ふだけに、輕やかな大阪辯も心地よく、惡事を働き、家族、親族に大迷惑を掛け乍ら、どこか憎めない奴を熱演。
 これ以上の演技はないと云ふ程の集中力。もう二度と演じないと云ふ強い決意と、千穐樂で誰もがこれで見納めだと云ふ觀客の氣持ちがひとつとなり、凄まじい舞臺となつた。幕が閉じても殆ど誰も立ち上がらず、拍手の嵐に應へて、幕がもう一度開くと云ふ嬉しい珍事。友人の招きで初めての桟敷にも感激。一生に殘る大舞臺。嬉しいことの續いた週末でした。忘れられません。

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2009年6月26日 (金)

高砂

Photo この間、友人の結婚披露宴に呼ばれて、帝國ホテル「富士の間」へ。新郎は成田山新勝寺參道に江戸時代から續く鰻屋さんの若旦那で、新婦は從業員さん。ご挨拶の中で、自然とお附き合ひが始まったとのお話でしたが、大勢の人に囲まれて幸せさうでした。
 平日の夜と珍しい時間帶故、包むものも少なくてはいけません。レストラン協會の仲間も盛装してます。私は略式夜會服のスモーキング・ジャケット(タキシード)です。一時痩せすぎてガハガハだったものが、すっかり戻ってしまひ、今はピッタリです。業界関係者をお招きする時は料理や飲み物でケチが附かないやうに、相當氣を遣ったことでせう。新郎が大學卒業後、初めて就職したのがこの帝國ホテル内のなだ萬さんであったさうですから、原點に戻ると云ふ意味で此処を選ばれたのでせう。
 
 シャムパーニュで乾杯、鏡開きをした成田の清酒の樽酒、シャブリ・プルミエ・クリュ、ポムロールの赤と、なだ萬の和食のフルコースに合はせて美味しく頂きました。久し振りの豪華な結婚式に滿悦至極。末永いお二人の幸せを祈るばかりです。

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2009年6月25日 (木)

治部少輔

 金澤で治部煮に出遇つてから、石田三成の本を見附けて讀んでみることに。
 和田 竜『のぼうの城』小學館は行政官僚として秀吉の下で腕を奮ったことではなく、秀吉の小田原攻めに合はせて、忍城攻めを仰せつかり、利根川と荒川を堰き止めて、水攻めをしたものの失敗した話を描いてゐる。

 本屋の店先で評判良しとの札を見たのだが、石田勢2万3千兵に對して、僅か2千の寡兵で防いだところが面白い。然も、忍城を守る「でくの坊」を略して「のぼう樣」と慕はれる成田長親の不思議な魅力、家臣たちの個性的なところも魅力で、史實通りかどうか判らないが、痛快戰國繪巻として一氣に讀んでしまつた。映畫化に向く内容なので映像として見ると、面白いかも知れない。
 惡く云ふと奧行きがなく、會話が現代語なので違和感もあるが、話の流れや小氣味いいテムポで自分は氣にならなかった。歴史好きな女性を今は「レキジョ」と申すさうであるが、お勸めである。

のぼうの城Bookのぼうの城


著者:和田 竜

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2009年6月24日 (水)

2作目完成

Jiku2 やっと4月から取り組んだ表装ができ上がりました。今回は絹本(ケンポン)故、裏打ちの段階から注意深くやらないと、布地が曲がつたままになつてしまふ爲、だいぶ氣を遣ひましたが、併し乍ら、完成して見ると、貼り附けの段階でやや引ッ張られた所爲か、皺が目立ちます。
 義母の描いた作品に合はせて、布地も軸先も自分で選んで揃へたので、色合ひは抜群なだけに、技術のなさが目立つてしまひました。 ハ~、先は長いです。
 

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2009年6月23日 (火)

灰被り娘

 「シンデレラ物語」のオペラ版、ロッシーニの歌劇《チェネレントラ》を直譯すると《灰被り娘》となる。下女のやうに扱はれ、臺所の灰にまみれてゐることを指すらしい。

 新國立歌劇場の公演は、ポネルの演出故、安心して見られる反面、最近の奇抜なものに見慣れた目には物足りなさを感じてしまふ。その上、ロッシーニはコロコロと轉がるやうに装飾を附けた旋律(コロラトゥーラ)が随所に出て來るので、緩急自在に操れる指揮者と、主要登場人物のアンサンブルが噛み合ひ、明るい喜劇にならないと非常に退屈する。喜劇の方が演技力を求められる。

 男声合唱はまとまりもよく、さすがだった。デイヴィッド・サイラス指揮の東フィルは、可もなく不可もなし。もう少し疾風の如く前に進んで欲しかったが、まあ足を引っ張るでもなく、身構えてロッシーニを聞くもんぢゃないと云はれてゐるやう。

 チェネレントラ(シンデレラ)、主役がメゾソプラノと云ふのは珍しい。ヴェッセリーナ・カサロヴァは声質が重いので、衛星放送で見たチューリヒ歌劇場の《カルメン》のやうな氣性の激しい女性役は似合ふが、輕快感が賣りのロッシーニでは、彼女の良さも引き出されず、威嚴があり過ぎて浮いてしまふ。
 それに對して、理想の花嫁を求めて身分を偽って従者に扮したドン・ラミーロ王子役、アントニーノ・シラクーザは
演技はおとなしいが、第二幕の前半は彼のの獨壇場となり、途中詠唱(アリア)をアンコールで歌う程、美聲を艶やかに放ち、見事な高音で観客を沸かしてくれた。
 初めて觀る歌劇として、樂しめたが、カサロヴァの突き出た顎が一番氣になつてしまつた。


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