« ペドロサ | トップページ | 高橋裕紀 »

2006年5月23日 (火)

ストーナー

Kc ペドロサと並んで、最も注目を浴びてゐるのが豪州選手ケーシー・ストーナーでせう。初めて名前を聞いた時は「KC・ストーナー」だとばかり思つたのですが、「Casy Stoner」と綴るのですね。

 元は土道筋(ダート・トラック)出身ですが、15歳でロードレース(周回軌道競爭)に轉向し、RS125cc級で優勝を飾り、家族して歐州に移り住んで西班牙選手権と英國選手権、それぞれ同時に參戰して2位を収め、世界選手権250cc級に挑戰し、翌年は125ccに出場して最終戰バレンシアGPに於いて、豪州人としては史上最年少優勝を飾り、KTMへ移籍して參戰2年目のこの自動二輪車製造會社に初優勝をもたらしてゐます。そして、昨年は古巣LCR組に戻り、250cc級に挑み、5勝を記録して年間第2位に着けました。

 ペドロサが格上げしたのに續いて「オレも!」と名乘り出たのか、知りませんが、當初所属組も決まらず右往左往し、開幕前の怪我により試驗走行も十分に行へませんでした。併し、2006年度のMotoGP世界選手権が始まつてみると、非凡な才能を開花させ、豫選1位(ポール・ポジション)を得たり、周回により先頭を走るなど挑戰は續いてゐます。未だ初優勝はなりませぬが、時間の問題でせう。

 周回を重ねた際にタイヤの減り具合が自覺できれば、もっと挑發的な戰術も考へられると、素人乍ら勝手に思つてゐます。曲がり角(カーブ)での重心の振れも少なく、無理せずに機械を操る姿は美しいものです。ペドロサもストーナーも自然な動きが調和して綺麗な走りをします。無理をしないから、それがまた綺麗な加藤大治郎を思ひ出させます。

 東京中日スポーツ新聞の遠藤誠記者曰く、「ドナルド・ダック似」なのですが、金髪に面長の顔に薄唇です。屈託なく笑ふと齒が剥き出しになり、結構口腔がでかいのでせう。豪州人らしい英語訛りは少なく、どちらか云ふと亞米利加訛りに近く、私は全然聞き取れません。英語で一番頭に入るのは、伊太利の王者ロッシでせう。とてつもなく、きつい伊太利語訛りですが、聞いてゐる傍から英語の活字が頭に思ひ浮かぶので、とても判り易いのです。

 彼の生まれた1985(昭和60)年10月16日、その邊りは昭和女子人見記念講堂で、ブルックナーの〈ロマンティック〉を演奏したことを思ひ出しました。その時で既に21歳でしたから、20歳の若さと云ふものが眩しく感じます。4樂章の最後の方で、靜かに弦樂器だけが奏でてゐる上に、喇叭が乘り、裸になる箇所があります。私は當時2番を吹いてゐましたが、1番の先輩との和音がぴたりと合ひ、講堂の最後列まで音が響き渡つたことが忘れられません。あのやうな演奏の醍醐味は後にも先にもそれ切りですが、ブルックナーのオルガンのやうな響きを體驗できた貴重な記憶です。

 昨年の茂木では、控へ室からの出待ちをして自筆サインを貰ひましたが、禮儀正しいので吃驚しました。豪州で伸び伸び育つたのでせうが、生活面での教育をきちんと受けてゐる、かう云ふ選手こそ延びるものです。それに引換へ、飴菓子會社と契約して壇上に上がる際に必ず、棒飴を頬張る輩の横柄な態度や、同じく250ccで節度のない走りをする西班牙人は好きになれません。
 これからの歐州戰線を征した者がどのクラスだらうと、今年度の勝敗を決することでせう。

Casey Sotner Home Page

|

« ペドロサ | トップページ | 高橋裕紀 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。