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2006年7月 7日 (金)

△か□か

 HMV盤のマトリックス番號の最後に羅馬數字で番號が入るのですが、これはテイク數です。練習嫌ひで通つてゐたフリッツ・クライスラーの演奏印象は實にさらッと彈いてゐて優雅な雰圍氣を醸し出してゐます。併し、このマトリックス番號を見ると、テイク7やテイク8が出て來て、納得の行くまで録音し直したことがわかります。
 ですが、それだけでなくてその後に△印や□印が附いて、長い間謎でした。加藤玄生著 『蓄音機の時代』 ショパン を讀んで、その點に就いて漸く合點が行きました。録音処理(システム)の違ひだつたのです。△印はウエスターン・エレクトリック社のものを使つたことを意味し、1932(昭和7)年頃から始まる□印はブルムライン社のものを使つたさうです。◇になるとヴィクター社がRCA系となり新録音処理を行ふやうになつてから、HMVに附けられてゐます。

 昨日のHMV盤《トリスタン》下部のマトリックス番號は2RA2660Ⅱ□でしたから、テイク2のブルムライン・システムだと判明した譯です。最初は社内の符牒のやうなものであつたのでせうが、何十年も經るとわからなくなるものですね。この本の著者は後附の紹介を見ると、1925(大正14)年とあり、子供の頃から蓄音機とSP盤で育ち、現在も現役で聽いてゐると云ふので、私などは青二才に見られる筈です。でも、かうして知つてゐることを書いて殘してをいてくれると、後輩としては非常に助かります。




蓄音機の時代


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蓄音機の時代


著者:加藤 玄生

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