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2006年8月 1日 (火)

船内

Hlounge ヒンデンブルク號船内全體は電燈により明るく、真珠色の麻壁、モダンな調度は飽くまで清潔で、食堂には初期飛行船の繪が、サロンには世界地圖と海洋航路が描かれてゐました。

 客室乘務主任はハインリヒ・クービスは既に第一次世界大戰前の「ザクセン號」から飛行船乘務を勤め始め、「ツェ伯號」の世界一周の際には日本にも寄港した經驗豐かなサービスマンでした。その他六人の客室乘務員、子供の世話や婦人の髪結ひを擔當する乘務員が一人居り、二四時間體制で郵便の世話や紙幣の換算、靴磨きまで、きめ細かなサービスをしました。

Hkueche1 厨房はフリードリヒスハーフェン一のホテル・クアガルテンで修行した一流コック4人が、火を使はない電氣式のオーヴンや電熱器により調理し、昇降機で真上のAデッキへ上げられました。専任の給仕は一人だけでしたが、食事時には客室乘務員も手傳ひ、優雅な時間が過ごせたのです。

 船長以下高級船員(オフィサー)、一般乗務員(クルー)、機械員17人、機關員4人、整備員3人、電氣員3人、電氣技師、操舵員、昇降員、航空士等、50人前後の乘務員が働いてゐました。

Landung 16の氣嚢を水素瓦斯で滿たすと、236噸の重量が揚げられます。最大1200馬力を誇るダイムラー社製16氣筒V型エンヂンDB602型(LOF6)四機は水平に動かすだけで、上昇は水素の力で、下降は、瓦斯をやや抜き地上員200人が力を合はせて引っ張りました。船體とエンジンを差し引いてもまだ20噸以上が載せられるのは、飛行機と違つて大きな強みでした。また、最速であることから「航空郵便」も欠かせぬ存在です。

南米航路3日間の爲の食料積載物を見てみますと、
 肉類・ソーセージ    600瓩(キロ)
 バター          200瓩
 野菜           600瓩
 馬鈴薯         500瓩
 珈琲           25瓩
 紅茶            6瓩
 パン、菓子用小麦粉  80瓩
 葡萄酒、麦酒、水瓶 250本

Innen 乘務員にお願ひさへすれば、船内を見學することも可能でした。船の肋骨部分に當たるリングは最船尾からの距離を表すメーター數により番號が振られ、ツェッペリン社員は習慣で船内の位置をリングの數で表してゐました。船の底部に沿ふ主通路の「リング0」が最船尾となり、最船首は「リング246.7」となります。船客が普段過ごす部分は「リング173」から「リング188」の間でした。
 この主通路脇には、燃料タンク、貯水タンクを始め乘務員室、倉庫等が兩脇に並んでをり、浮遊力に餘裕のあるヒンデンブルク號は自動車や犬を乗客と共に運ぶこともありました。


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