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2006年10月26日 (木)

ジェノヴァのカフェ

 ピエモンテ州の南、リグーリア州の州都ジェノヴァは歐州屈指の港街として知られてゐます。コロンブスの生まれた町でもあり、ジェノヴァは海に沿つて凡そ30粁續き、伊太利最大の港としてコンテナ船や豪華客船が泊まり、水族館も有名です。萬博が開かれる以前のジェノヴァは古い建物と細い路地に坂道が多く、實は魔窟とも云へる程危險な町でした。今では歩いて恐ろしいと感じることはありません。トリノに比べると港街の所爲か、商業地として發展しただけ開かれた、明るい印象です。

Dh000066 我々は先を急ぐこともなかつたのですが、カフェに立ち寄るだけで、さっさと宿泊先へ移動してしまひました。但し、此処のカフェはどうしても行きたかったところです。サンタ・アガタに邸宅を建てたヴェルディでしたが、熱効率計算を間違へたらしく、暖房設備が役立なかつたので、冬の間はこのジェノヴァに住んで、愛人をつくり、或るカフェに入り浸つたのだとか。ですから、そのカフェでヴェルディと同じやうに一杯珈琲を頂かうと、裏路地を探して歩き回りました。

Dh000063 「グランクティカフェ」は迷路のやうな路地を歩いてやっと見附けた下町情緒溢れる小さな店でした。外から見ただけでは、只の何の變哲もないカフェです。バーがあつて、80セントだかで珈琲を立ち飲みして、トイレを借り、よく見るとケーキ棚の後ろにヴェルディの繪が掛けてありました。それでやっと由緒がわかると云ふもの。地元の人なんか、これっぽちも氣に掛けてゐない様子です。そりゃあさうでうせう、毎日行くところがたまたま作曲家縁のカフェであつたと云ふだけなのですから。

 もとは船乘りが長い航海に持ち込んだ焼菓子やマロン・グラッセ等、夏はジェラートもあるやうです。ヴェルディも食べたのかなあ、と考へるだけでも樂しいと云ふもの。きっと立ち飲みではなく、奧の席に座ったのでせうねえ。

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