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2006年11月23日 (木)

カラス

 グランド・ホテルの顧客名簿の筆頭に擧げられるのがヴェルディでした。現在もヴェルディが使つてゐた部屋は「ヴェルディ・スイート」として特別扱ひです。亡くなつた時の部屋の様子はサンタガタのベルディの屋敷に移築され、そちらで見ることができます。そして、著名人の中に永遠の女神(ディーヴァ)マリア・カラスもをります。ロビー横の廊下には、何げにカルーソーとカラスの肖像寫眞が飾つてあります。知らない人が見れば、只の寫眞でせうが、ホテル縁の有名人だと知つてゐる者にとつては、もしかすると此処を歩いたかも知れない。或ひは同じ椅子に座つたかも知れないと考へるだけでも幸福です。

 さて、フランコ・ゼフィレッリ監督作品、映畫《永遠のマリア・カラス》2002年は架空の物語(フィクション)なのですが、引退後、希臘の大富豪オナシスに捨てられ、ひとり靜かに巴里で晩年を過ごした様を見せ附けてくれました。今でも彼女の歌ふ歌劇の女主人公の凄味はCDでも傳はる位ですから、實演はさぞかし凄かつたのでせう。ゼッフィレッリの師匠に當たるルキノ・ヴィスコンティが演出を手掛け、カラスが歌つた1955(昭和30)年でしたかの《ラ・トラヴィアータ》は音は惡いものの若々しいディ・ステファノのテノール、カルロ・マリア・ジュリーニのハキハキとした指揮と相まつて素晴らしいものです。

 「カラス入魂のヴィオレッタ」とは陳腐な宣傳文になつてしまひますが、熱いものが最初から最後まで流れてゐる傳説の實況録音。きっとこれを歌つた頃はこのホテルから通つたことでせう。



ヴェルディ:椿姫 全曲


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アーティスト:カラス(マリア),ミラノ・スカラ座合唱団

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発売日:2002/05/22

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永遠のマリア・カラス


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永遠のマリア・カラス


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発売日:2004/03/17

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 今晩の日本放送協會BS2、20時から衛星映畫劇場ではヴィスコンティの長編大作《ルートヴィヒ》1989年再編輯(240分)が放映されます。

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