« ベト7 | トップページ | プロコフィエフ »

2007年1月17日 (水)

ラフマニノフ

 ドラマの中で、千秋(玉木宏)が師匠のシュトレーゼマン(竹中直人)と共演するラフマニノフの洋琴協奏曲第2番が、これまたよかったです。素敵な俳優陣なだけに非常に格好よく、見映えのする吹き替へ奏者に、背景で流れる演奏もよく、ドラマとして樂しめました。
 丁度、先週の土曜日の《蓄音機の會》では、この洋琴協奏曲第2番を取り上げ、ご本人の洋琴、ストコフスキーの指揮、フィラデルフィア管絃樂團のSP盤5枚組(CCCP5289-50)を聽いたところです。元は亞米利加録音のヴィクター盤ですが、私の所有してゐるのは蘇聯盤ですので、キリル文字が讀めません。以前、雑誌『ショパン』の取材でラファウ・ブレハッチさんがいらした時に、一緒にいらしたお父様に露西亞語を讀んで頂き、内容を確かめてから一面だけ掛けました。彼は一昨年の第15回ショパン國際洋琴競爭(コンクール)で完全優勝してゐます。波蘭出身の優勝はクリスチャン・ツィメルマン以來30年振りだとかで、本年來日します。非常に内氣でおとなしい好青年で、不思議さうに蓄音機に見入つてをりました。

 ラフマニノフは非常に大きな手の持ち主で、12度の音程を左手だけで押さえられたらしいのです。それ故、音も大きく、雄大な感じです。只、伴奏の方が音量に減り張りが少なく、割と平凡なだけに、二樂章の微妙なテムポの揺れが素晴らしい。以前はハリウッド映畫を見せられるやうな、押し附けがましい煌びやかさが鼻に附いて好きになれない曲でした。ですが、ラフマニノフは作曲當時、極度の神經衰弱から醫師の治療によりやっと立ち直り、頑張つて書いたものなのです。本人にしてみれば、そこまで派手に復活を印象附けてやらねばならなかつたのでせう。涙ぐましい努力の跡が、佛蘭西料理の定食のやうな、豪華さや官能美に繋がつてゐるのでせう。あんまり派手で私は消化不良を起こしてゐたのかも知れません。

のだめカンタービレ(ドラマ版)

|

« ベト7 | トップページ | プロコフィエフ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。