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2007年2月19日 (月)

猫マンマ

 子供頃、お代はりしたご飯に殘つたおみおつけをぶっ掛けて「猫マンマ」にして食べると叱られたものです。「はしたない」と。遅刻寸前の時間のない朝ご飯は、悠長に食べられないので「猫マンマ」にしました。確かに、お向かひの家の飼ひ犬のご飯は殘りものとか、鶏の頭を煮たものとかあげてましたが、當時の我が家では、猫にそんなものを食べさせることはなくて、ちゃんと竹輪を切ったり、猫餌の罐詰めを開けて出したりしてました。東京では味噌汁掛けご飯を「猫マンマ」と云ふのですが、どうやら地方により色々あるらしく、このぶっ掛けご飯に就いて調べた人がゐます。

 遠藤哲夫著『汁かけめし快食學』ちくま文庫では、全國の汁掛け飯を調べ、カレーライスが普及する下地がこれだと確信犯的に述べてゐます。海上での榮養バランスを考へた海軍が英國式のカレーライスまたはライスカレーを輸入してこしらえた時に、汁掛け飯に今までの日本にない香辛料が更に風味を増したことで普及したのではないかと云ひます。固形のルーが賣られるやうになると、お母さんカレー、キャンプのカレーと國民食として愛されるやうになつたやうです。ですが、キャンプでこれを作ると油ぽいので後片附けがたいへんです。初めて包丁を握る子供には人參や馬鈴薯、玉葱を切るのにいいでせうが、どんなものでせう。よっぽど豚汁の方がいいと思ふのですが…

 自分で作る時はシチューのやうにたっぷりの赤ワインで牛肉を塊のまま玉葱とだけ煮込み、野菜は別に茹で、馬鈴薯は素揚げまでして、ご飯と共に別添へにします。そこへできたカレーを真上から掛けるのではなく、横ちょに池にして、それに藥味として、パルメジャーノ・レジャーノまたは安いグラノ・パダーノ、辣韮(ラッキョウ)、コルニション(小さく固い胡瓜)・ピクルス、蜜柑の缶詰め、あればフレッシュ・マンゴ、なければマンゴチャツネなんかをお好みで足して食べるのが好きです。




汁かけめし快食學


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汁かけめし快食學


著者:遠藤 哲夫

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