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2007年2月27日 (火)

百物語

 現代でも「百物語」をやってやらうと云ふ人は大勢居るやうです。文人が集まり、根津の古い旅館で行つた記録『文藝百物語』がこれまた恐い。井上雅彦、加門七海、菊地秀行、篠田節子、霜島ケイ、竹内義和、田中文雄、森真沙子と知られた作家たちが實際に體驗したことを脚色もなく、思ひ出し乍ら語るので恐さも倍増します。會場は『結界』を張り巡らして、外界との連絡も一切絶ち、古式に則り、執り行はれてゐます。

 讀むだけで、現場の恐怖を追體驗できるのがこれまた恐ろしい。文庫本なので、通勤途中に讀み出すと回りの人が魑魅魍魎(チミマウリヤウ)の類に感じられて來ます。もしかして、人ではないやうに感じる、この感覺判りますか。つひでに集中し過ぎて乘り過ごすこともありますので、ご注意下さい。探してみると結構類似本はあるものです。實録怪談集と副題の附いた『百物語』も既に5巻もあります。こちらはこちらで、著者が取捨選擇した百のお話しがきっちり詰まつてゐて、恐ろしい。

 昔は死と隣り合はせであり、誰もが一度は死ぬのですから、恐ろしいと感じる感覺が違つたのかも知れません。もう3年も前になりますか、晩夏にこの『百物語』を讀んでゐました。これを手にして、友人の出演する芝居を見に行き整理番號を貰ふと、56番。早めに來た筈なのになあと思ひ乍ら、百數十名で一杯になるこぢんまりとしたホールに入りました。
 出演者3人だけの結構重ひ内容でしたが、出演した友人にお土産渡して挨拶を濟ませた後、丁度近くのホールでクラシックの演奏會を聽いてゐた別の友人と飲みに行くことになりました。最近出遭つた「怪」の話しだと一人昂奮して、今見た芝居の話しになつたら、

 「えっ、その整理番號に百足すと、さっき言つてゐた丁度そのホールの定員156ぢゃないですか~」

確かにその本に入場整理券を挟んでをり、開くと右に56の數、中表紙に百の數、只の偶然にしては、如何なのものでせう。



文藝百物語


Book

文藝百物語


著者:井上 雅彦,田中 文雄,森 真沙子,加門 七海,菊地 秀行,篠田 節子,霜島 ケイ,竹内 義和

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百物語〈第5夜〉―実録怪談集


Book

百物語〈第5夜〉―実録怪談集


著者:平谷 美樹,岡本 美月

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