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2007年2月15日 (木)

地下の殘されたもの

 京都や奈良はほんの少し掘るだけで文化遺産がごそごそ出て來ますが、伯林でも地下に殘された廃墟や遺構が思はぬものを見せてくれます。河合 純枝著《地下の伯林》文藝春秋は、だいぶ前に讀んだものですが、過去がしっかり今に生き殘つてゐる場所「地下」を訪ねた記録です。

 それは東京の地下も同じことが云へて、地下鐵の路線から過去に使はれなかつた空洞があつたのではないかとか、中澤新一著『アースダイバー』講談社の中では、縄文時代の地圖と現在の地圖を重ね合はせ、當時の半嶋や岬の突端に神社が造られたことが判るのが不思議です。

 伯林では何年か前にナチス時代の防空壕だか何かが發見され、ナチス賛美の繪があつたことから歴史的遺物として殘すべきか、葬り去るべきか問題になつた筈です。1980年代後半も壁の傍にゲシュタポ本部の地下部分の發掘が行はれてゐて、おぞましい過去として捉へるのではなく、我々の汚點は正面から見据えると云ふ獨逸人らしい現實を見た氣がしました。靖國問題で中國に突かれても、毅然として「國内問題」として言ひ放ち、參拝を重ねた前の首相の方が日本國の立場を判つてゐたのではないでせうか。

 「だが、中國、韓國それに北朝鮮は日本の起こした戦争を全面的に攻撃し、中國は日本の存在そのものまで非難してゐる。歴史的な考察はどこにもない。つまり外交上の驅けひきに使つてゐるだけなのだ」

 これは、日高義樹著『ブッシュのあとの世界』PHPの一節です。日本は中國に膝を屈してしまつてゐたとは氣附きませんでした。外交戰爭を素人が當たる日本の行く末は心配です。
 地下には過去が、外からは現在がしっかりと、然も客觀的に見えるものなのですね。

 



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