« 怖い話し | トップページ | 天丼 »

2007年3月 5日 (月)

カツ丼

 先月、大阪へ家族で遊びに行つたのですが、大阪港の天保山觀覧車や甚兵衛鮫の居る「海族館」へ行き、お晝はその「天保山マーケットプレース」内のフードコートで食べました。最初は「なにわ食いしんぼ横丁」でと考へましたが、長蛇の列に諦め、フードコートにしました。小さな出店が並び、中央の卓子で食べる形式ですから、違ふ分野の料理でも、一緒に食べられる利點があります。そこで私はごく普通の「ミニカツ丼と饂飩(うどん)のセット」を食べた譯です。
 東京でそんな千圓もしないやうなもので、期待するのは間違ひですが、滅茶苦茶、旨いのです。饂飩は出汁のきいた色の薄い関西風で、それに油揚げだけの簡單なのに味がある。カツ丼はまづちゃんと温かいし、カツがきちんとカラッと揚がってゐる。適度な固さのご飯の上に、玉子トジが絶妙な柔らかさで、濃いめの味がしっかり浸みてゐました。たかが、カツ丼、されどカツ丼。東京のフードコートでこんな味はひ深いのを食べたことがありませんでした。勿論、トンカツ専門店で美味いのは澤山あります。

 祖父の代から贔屓にしてゐるのは銀座の「梅林」。新橋から中央通りを歩いて、確か資生堂さんの所を左折した2軒目位のビル1階です。誰だかが名附けた駄洒落「珍豚美人(チン・トン・シャン)」と豚美人が三味線を彈く圖も描かれてゐます。祖母はよく店名ではなく、「珍む豚美人へ行かう」と言つてましたので、愛稱なのでせう。
 カウンターで食べる二度揚げしたフィレが私の好みで、美味いです。此処にもカツ丼があり、蕎麦屋とは比べものにならない魅惑の厚みのロースカツが載つて來ます。お持ち歸へりの「サンドヰッチ」を觀劇に持つて行く人もあるのだとか。

 創業、昭和2年(1927年)ですから、もう老舗の内でせう。上野には名匠、小津安二郎が通つた「蓬莱屋」のヒレカツ、「双葉」「伊泉」に「ぽんた」と名店揃ひです。目黒にも「とんき」だとかトンカツ屋が多く在りますね。神田にも「いもや」と云ふ定食屋のトンカツが安くてうまい部類に入ります。カツ丼は震災以降に流行つたものですが、丼ご飯に具を載せることを考へた人は素晴らしい。立ったままでも食べたのでせうねえ。今週は丼に就いて。

|

« 怖い話し | トップページ | 天丼 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。