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2007年4月12日 (木)

贅澤は敵だ

 「贅澤は敵だ」と云はれると、「素」の一字を加へて「贅澤は素敵だ」と言つてゐた庶民の逞(たくま)しさを感じます。戰前から高度成長期を迎へるまでは輸入米も多く、實はずっと貧しい國でした。朝鮮や臺灣からの米は植民地からなので、輸入ではなく「移入」と表現したさうですが、そちらが凶作となると途端に米が足りなくなると云ふ状態。凶作から泰米を頂いた1993(昭和5)年が懐かしく感じられます。炭を入れて炊いたり、随分工夫したものですが、戰中、戰後は選擇の餘地がないので、飽食の時代に育つた我々には飽くまで想像の世界でしかありません。

 1937(昭和12)の蘆溝橋事件以降、日中戰爭が始まると、上海や南京陥落と行け行けの雰圍氣でしたが、1939(昭和14)年に「米穀配給統制」が公布されると、米は自由に賣買できず、高騰を招かぬやうに決まつた價格で政府が強制的に買ひ上げ(供出)して、國民には決まつた價格で拂ひ下げるやうになり、徐々に米が足りなくなつて行つたのです。然も、配給通帳がないと買へなくなり、一人當たりの割り當ては一日に二号三勺(330グラム)と定められました。當時の平均消費量が一人一日三合(450グラム)でしたから、かなりキツイですね。

 マリー・アントワネットではないので、「パンがなければ、ブリオッシュを食べればいい」なんて呑氣なことは言つてられず、芋や雑草を食べ、校庭や庭で野菜を育てるしかありませんでした。
 齋藤美奈子著 『戰下のレシピ』 岩波アクティブ新書 を讀むと、甘いモノに飢え、米糠を煎つてココアパウダーの代用にするだとか、里芋のお萩だとか、人間の工夫は凄まじいものです。




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