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2007年4月25日 (水)

グランド・ホテル

 伯林を舞臺としてゐる映畫として名高いのが、グレタ・ガルボ主演の『グランド・ホテル』(1932)でせうか。限られた空間の中で、様々な人が出入りして、違ふ事件の重なり合ひが、最終的に旨く大團圓へ向かふには、演出の善し惡しが問はれます。三谷幸喜監督作品『THE 有頂天ホテル』(2006)も、同じ手法で描かれてゐますが、こちらは最新設備の新館と昔乍らの舊館の違ひを生かし、全然違ふことをしてゐた從業員や客が大晦日の年越しおパーティーへと結び附く樂しい映畫です。

 現在、ブランデンブルク門脇、ウンター・デン・リンデンに面して建つ、再建された「ホテル・アドロン」がその舞臺と云はれてゐます。社交界の人々が出入りしたその昔の榮華はなく、單に高額高級ホテルの感じです。泊まつてゐるのは、亞米利加人觀光客ばかりに見受けられました。此処のレストランが佛蘭西料理屋として評判がよいらしく、その内、是非、一度は訪ねてみたいです。

 過去に引き擦るバレリーナ、フォン・ガイゲルン男爵は賭博で全財産を擦り、窃盗團に身をやつし彼女の真珠の首飾りを狙ふ泥棒となり、會社が傾いた婿社長は、新しく速記者を雇ふが性的魅力に溢れてうぃる、また、會社の帳簿係をしてゐたが健康を害して自暴自棄になつて、冥土の土産にへそくりでグランド・ホテルに泊まる老人、そんな人々がホテルで過ごす一日半。オペラ・ブッファは朝から晩までの一日なので、一寸長いですが、笑いあり、涙あり、人生模様を描き、優雅な上流階級とは云へ、見てくればかりだと教へてくれます。

 ガルボの陰影に富んだ美しさが特に光ります。全編、セットでの撮影ですが、手間に引く扉式の昇降機だとか、歐州らしさが所々に出てゐる、舊き善き時代のハリウッド映畫です。



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