« プレイエル | トップページ | アマンティーヌ=オロール=リュシル・デュパン »

2007年5月29日 (火)

サンドのレシピ

 プレイエルを愛したショパン繋がりで、當日はジョルジュ・サンド家の傳はり調理法を記した本"A la table de George Sand"から料理を再現しました。これは1987(昭和62)年にサンドの孫娘オロールの養子の妻、クリスティアーヌ・サンドが、相續した調理法やメモ等を整理して一冊の本にしたものです。

 男尊女卑の蔓延る19世紀に、小説収入で自由人として生きたサンドは歩き易いから、と男装したり、葉巻を吸つたり型破りな女性でした。彼女が育ち、住んだベリー地方のノアンの館では、基本的に自給自足で、夕飯の定番は「若鶏のフリカッセ」であったさうです。庭で飼つてゐた鶏を潰し、玉葱とベシャメルソースで煮込む單純な田舎料理です。大勢のお客が來る時は兎や鶉も食卓に上り、近くの川で捕れた石斑魚(ウグイ)や鯉、鱒はフライにしたり、ザリガニの殻からは出汁を取り、ソースにして身はオムレツに入れたりもしてゐます。

 森では栗や扁桃(アーモンド)を拾い甘く煮てコムポートにしたり、特にサンドは「焼き林檎」が得意で、愛情を込めて孫たちに焼いたものでした。初夏には櫻桃(サクランボ)が撓わになるのでタルトにされ、また保存食としてジャムなどにもされたやうです。さて當日は

Dîner de George Sand
Samedi, 19. Mai 2007
  M E N U

Terrine de Foie Gras
フォア・グラのテリーヌ

Homard à l'Américaine
オマール海老 亞米利加風

Filet de Boeuf à la Béarnaise
牛フィレ肉 ベアルヌ風

Desert_1Grand Gâteau de Cerises Alsacien et Gnocchis
櫻桃タルト アルザス風とサンドの調理法によりニョッキ

Café
珈 琲

 この中に唯一サンド直傳のニョッキがあります。併し、これがくせものでして、再現に一番苦勞しました。牛乳、小麦粉、卵黄、檸檬の皮、粉砂糖に肉桂(シナモン)を使ひます。馬鈴薯も南瓜も使ひません、小麦粉が原料です。ニョッキと云ふより甘いので「ういろう」です。最初は海老の添へものに使ふつもりでしたが、砂糖が入るので急遽デザートにしました。シェフはこんなものが美味い筈がないと、調理法を見ただけで嫌がりましたが、お客さんの評判は上々でした。當時はとびきり美味しいと感じられた料理なのでせうね。ワインはノアンの近くを流れる川の本流、ロワール河流域のワインを出しました。


|

« プレイエル | トップページ | アマンティーヌ=オロール=リュシル・デュパン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« プレイエル | トップページ | アマンティーヌ=オロール=リュシル・デュパン »