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2007年6月27日 (水)

ファルスタッフ

Falstaff先週は連續して歌劇三昧となり、あちこちから非難を受けさうでした。ヴェルディの遺作となった喜劇《ファルスタッフ》。シェイクスピア原作の『ウィンザーの陽気な女房たち』から飲んだくれで、麦酒腹の機知に富んだファルスタッフが主人公。飲み屋の支拂ひが滯り、同じ文面でふたりの奥方に戀文を送つてしまったが爲に、逆にとっちめられる話です。ワーグナーの樂劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は下手すると單にベックメッサー虐めとなりますが、、こちらは笑つて終はるところが何とも伊太利的でよいです。

1994年新演出からのエッティンガーの指揮が冴えてました。この人根っからの劇場人ですね。まだ、若いですが、なかなかどうして手腕はたいしたもんです。一昨年に一度観てますが、前回はベルント・ヴァイクルが好演してたと云ふより一人で舞臺を乘つ取つた感じでしたが、今回はアラン・タイタスのファルスタッフは低音が響くどっしりとしたバリトンで、他の歌手とのバランスもよくて全體としての纏まりがありました。ですから、今回の方がよかつたです。

セレーナ・ファルノッキアのフォード夫人、ヴォルフガング・ブレンデルフォードはアンサンブルで良さが出ましたし、カラン・アームストロングのクイックリー夫人は双眼鏡で觀たら肌のたるんだ小母さんでがっかり、中村恵里のナンネッタも鼻ぺちゃで、あ~あって感じでしたが、遠目に見てる分には問題なし。

エッティンガーは小氣味いいテンポで明るく仕上げ、歌を消すことなく伴奏に徹してます。歌のアンサンブルを纏めるのも上手なのかも知れませんね。然も、樂しげなのがこちらにも傳はつて來ます。ジョナサン・ミラーの演出は、
和蘭繪畫から抜け出して來たやうな装置。同時代のファッションだから、さうしたらしく、壁が2つの軸で回轉して、前庭であつたり、部屋の中であつり、非常にうまく出來てます。場面轉換が素早くできるので途中で途絶えないのがこれまたいいです。

罠に掛ける筈が引っ掛けられ、逃げ場がない程とっちめるのではなく、餘裕をもつて笑つてゐられるのでほっとします。笑ひは健康の元、寿命も延びると云ひますからね。普段、聽いてゐるのはトスカニーニの名盤。こちらのテムポよくブンチャカブチャカやるのがいいです。下手な指揮者だと、これがドタバタになつてちっとも面白くありません。



ヴェルディ:ファルスタッフ


Music

ヴェルディ:ファルスタッフ


アーティスト:ヴァルデンゴ(ジュゼッペ),ロバート・ショウ合唱団,シュティッヒ=ランダル(テレサ),ネッリ(ヘルヴァ),エルモ(クロエ),マリマン(ナン),スコット(ノーマン),グァレラ(フランク),カレルリ(ガボール),マダーシ(アントニオ)

販売元:BMG JAPAN

発売日:2000/09/20

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