« ベルリン1919 | トップページ | ベルリン1945 »

2007年6月19日 (火)

ベルリン1933

 大不況の中、見習い工員としてAEGの工場に働きに出た15歳のハンス。兄ヘレは結婚して無職とは云へ、既に共産黨員として國家社會主義勞働者黨(ナチス)に反對運動をしてゐます。父は既に1黨の方針と合はないからと離黨してゐましたが、それではナチスに對抗できないとヘレは裏工作をしてゐます。長女のマルタはどん底の暮らしから這ひ上がりたいが爲に、ナチスの突撃隊に入黨したギュンターと戀仲になり、家族から離縁されてしまひます。共産黨員でもないのに拘はらず、ナチスをよく思はないハンスは突撃隊の連中から職場で執拗に嫌がらせを受け、その上猶太系のミーツェと仲良くなると、益々ナチスに反感を抱きます。そして、つひにヒトラーが首相になると、ナチスの放火により國會炎上するも、共産黨の所爲にして、共産黨狩りが行はれマルタの密告により兄と兄嫁は連行されてしまふのでした。

 突撃隊が蛮行を繰り返しても、見て見ぬ振りをして、ナチスの巧みな宣傳により、未來が薔薇色だと感じてしまふ。自分の信念を貫けば、角も立ち、嫌がらせも受けるものの、それでも立ち向かはなければならない。社會保險廳の事なかれ主義で年金問題もボロボロ不始末が出て來ましたが、憲法九條を變へることに意欲を燃やす首相の下で、もっと議論をしないといけませんね。

 舞臺となり伯林に在るこのAEGの工場では、戰中にフルトヴェングラー指揮、伯林フィルが慰問に訪れワーグナーの樂劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲を演奏してをり、然もそれがナチスの宣傳映畫として殘つてゐるだけでなく、つひ先頃125周年を迎へた伯林フィルがこの工場で記念演奏會を開きました。その映畫フヰルムを見てゐた私には一瞬、ナチスの亡靈が蘇つたのかとぞっとしましたが、伯林フィルと同じ位古い工場と云ふことで選ばれたやうです。「歴史は繰り返す」間違つた方向でないことを祈ります。



ベルリン1933


Book

ベルリン1933


著者:クラウス コルドン

販売元:理論社

Amazon.co.jpで詳細を確認する

動画ダウンロード»»  PC - Mobile - Audio
Powered by TubeFire.com

|

« ベルリン1919 | トップページ | ベルリン1945 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ベルリン1919 | トップページ | ベルリン1945 »