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2007年8月28日 (火)

山椒大夫

 森鴎外が好きと云ふ割に『山椒大夫』は未だに讀んでゐませんから、穴ぼこだらけの駄目なファンです(汗)。溝口健二監督作品 『山椒大夫』 (1954年)は白黒映畫ではありますが、繪巻ものを觀るやうな丁寧な作りでした。長回しでカットをせずに、カメラを左右にゆっくり振って緊張感が途切れません。

 過酷な運命に振り回された親子の話と一言で終える譯には行きませんが、母親は遊女として賣られ、子供は貴重な勞働力として奴隷のやうに賣られ、妹は兄を逃がす爲に自害し、運良く逃れられた兄は出世して、苦しめて來た親分の山椒大夫に仕返しをする。「安寿戀しや、ほうやれほ。厨子王戀しや、ほうやれほ」と歌ひ、ボロボロとなり、幾度となく逃げ出すので足の指を切られた母親を探しあてて幕となるお話しです。

 最初は親切さうな素振りを見せた老婆(浪花 千榮子)が一轉、惡女の本性を現して、親子を引き離す場面はキツイです。また、憎々しさ百倍の山椒大夫(進藤英太郎)、遊女にさせられる母親(田中絹代)、けなげな妹(香川京子)等役者も揃ひ、平安朝時代の身分の差だとか、権力に就いても考へさせられます。それにしても、ロケーションの風景も美しい。矢張り巨匠と呼ばれるだけのことはありました。



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