俊敏様式
山崎浩太郎さんが言ふ「俊敏様式」と「荘重様式」は、大まかに分けると20世紀前半が「呼吸とリズムの彈み」が全面に出た俊敏様式で、息繼ぎがはっきりせず、重く生真面目なのが荘重様式なのださうです。それだからか、歌劇を觀てもリズムの乘らないもさっとしたものがあってがっかりする反面、最近ではエッティンガーのやうなノリノリ指揮者のリズムが全體を引っ張るものがあり、こちらの方が樂しくワクワクします。オペラの醍醐味は此処にこそあるのです。
著作権が切れてCD化された「ヒストリカル」盤の批評を、山崎さんが1991(平成3)年から書き續けたものを纏めた『クラシック ヒストリカル108』 アルファベータ を讀むと、成る程惹かれる演奏とは指揮者の呼吸が判り、リズムがよいものなのですね。1930年代のメトの素晴らしさは幾度述べても述べ足りず、フラグスタートとメルヒオールだけでなく、様々なCDが紹介されてゐます。SP盤だとアルバム2冊にもなるものが、CDだと2枚となつて手輕に聽けるので、勸められるままに聽いてみたいものです。
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