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2007年9月13日 (木)

アルノルト・ロゼー

Arnoldrose ワーグナー特輯最後の「舊吹込の歌手たち」では延べ16人の歌聲を聽いたのですが、おまけとして、維納宮廷歌劇場及び維納フィルのコンツェルトマイスターを57年の長きに亘つて務めたアルノルト・ロゼーの演奏も耳にすることができました。國家社會主義勞働者黨により墺地利が併合されると、猶太人であつた爲、地位を追はれ國外追放の憂き目にあつてしまひますが、1909(明治42)年の吹込、バッハの〈G線上のアリア〉 GC47972 (14680u)は程良いビブラートでたっぷり歌ひ上げてゐます。
 併し、この人こそ、フリッツ・クライスラーの入團試驗で「音樂的に粗野」で「初見演奏が不得手」として不合格にしたのですね。そのお陰でクライスラーは獨奏者へと進み、維納フィルは音色を保てたのかも知れません。確かにクライスラーとは對極の演奏でせうが、どちらも魅惑たっぷりです。盤の貴重さから云ふとこちらの方が當然珍品で、初めて私も目にしました。再販盤なので兩面あり、裏面はブラームスの〈洪牙利舞曲〉で、こちらも優雅な演奏です。商業的にどうかう云ふ前に演奏者が演奏を樂しんでる印象です。「舊き佳き時代(ベル・エポック)」の片鱗を聽いた氣がします。

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