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2007年10月19日 (金)

浪漫的

 カール・ベームがドレスデン國立歌劇場の音樂監督時代に出版されたばかりのハース版(1936年)を使ひ、ブルックナーの交響曲第4番《ロマンティック》と第5番をSP盤に録音してゐます。孰れも10~12枚であつたと記憶してゐます。幾度も型録や店頭で目にしたのですが、LP時代の復刻で聽いてゐたので触手が伸びませんでした。奇を衒ふことなく無駄な感情を廢して、淡々と正確に演奏してゐる感じです。後年、ステレオ時代(1973年)の維納フィルとの典雅な録音に慣れてゐた所爲でせうか。

 實は學生時代に《ロマンティック》は喇叭の2番で演奏したことがあるので、思ひ出深い曲です。第一樂章冒頭の夜明け。本番だけホルンの1番が轉けたことや、第三樂章の狩の金管和音が懐かしい。舌打ち(タンギング)が合はないとごちゃごちゃとなる爲、嫌と云ふ程練習した甲斐があり本番は綺麗に揃ひました。自己滿足してましたが、幾年か經て聽くと下手糞で恥ずかしかつたです。まだサントリーホールのない時代に昭和女子大學人見記念講堂は、ベーム、維納フィルが最後の來日追加公演を行つた所でしたから、尚更自分にとつては同じ舞臺と云ふ意味が大きかつたです。

ブルックナー:交響曲第4番Musicブルックナー:交響曲第4番


販売元:ユニバーサル ミュージック クラシック

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LP時代は口元に人差し指を當てて「靜に」と合圖してるジャケットで、この畫像は第3番に使はれてゐましたね。

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コメント

カール・ベームですか...ウーン、懐かしいですね。主にウィーンやザルツブルクを中心に彼の指揮は何度か接しました。アリアドネ、エレクトラ、コシ、フィガロといったところは忘れがたいです。

戦前のザクセン歌劇場のオケとの録音のブルックナー、あれは当時としては画期的なスタイルの演奏だったでしょうね。あそこのオケは以前から粘りの少ないクリアな音楽をやる伝統があるようで、そういうスタイルと当時のスタイルが完全にマッチングした演奏ですね。

ところが驚くことに1943年にベームがウィーンフィルを指揮して演奏したブルックナーの7番の録音(本来は放送用でしょう、かなりいい音で採れています)がありますが、ここで聴くベームの指揮はザクセンのオケとの演奏とはかなり異なる指揮振りです。ゆったりとしたテンポで纏綿とした歌わせ方をしていますね。往時のウィーンフィルの弦の響き...これは格別のものがあります。これが本当に彼の指揮なのか疑問がなくもありませんが、しかし遅いテンポ、耽美的で濃密な歌ではあるものの妙な粘りの無い点はやはりベームの特徴でしょう。gramophoneさんがフルトヴェングラー指揮の7番の第2楽章の関するコメントでおっしゃられる「時代背景」という点、この43年のベーム指揮の演奏にもかなり感じるように思います。

以下のページで部分的に聴くことができます。
http://www.preiserrecords.at/album.php?ean=717281901925

投稿: la_vera_storia | 2007年10月19日 (金) 12時14分

ベームが遅くなつたのは、1970年に入り、ギャラが1分單位になつてからださうです。戰中遅いとすれば、それは時代背景なのでせうねえ。CD探してみます。

併し、戦中の財政難の維納フィルを振る時、フルヴェンやクナはギャラ返上で奉仕したらしいのですが、ベームは全額要求した上、演奏が気に入らないと「ヒトラーは友人だから」と言つて脅したとか、惡い噂が殘つてゐます。戦後の蜜月を知る我々には解らない苦勞があつたやうですね。

投稿: gramophon | 2007年10月19日 (金) 15時09分

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