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2007年10月18日 (木)

交響曲第7番

 12吋のSP盤の片面は凡そ4分半程度しかありません。ですから長い交響曲ともなると10枚を越えるアルバムも出て來ます。重いし、割れるし、樂曲の途中變なところで途切れて引ッ繰り返さなくてはならないし、LPに慣れた人でも相當面倒な筈です。その間、頭の中で途切れることなく同じ旋律を歌つてゐないと、針を落としても曲が繋がりません。それ故、襟を正して、しっかり拝聽する位の心構へがないと蓄音機は聞けませんが、そんなたいへんな思ひをしてでも聽く價値があるから不思議です。アクースティックな音が直接的に心に響いて來ます。

 ブルックナーの交響曲第7番は後期の中では一番好きな曲で全曲SP盤は2組、戰中録音のフルヴェン指揮の第二樂章〈アダージョ〉だけも1組持つてゐます。全曲は1928(昭和3)年録音のホーレンシュタイン指揮、伯林フィル 米盤Brunswick 90305/11と、1947(昭和22)年録音のベイヌム指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管 英盤Decca AK1916/23です。ハース版は1944(昭和19)年出版ですから、ホーレンシュタイン盤はこの曲の初録音となり、1885年原典版を使用してゐる筈です。可もなく不可もなく、おとなしい演奏で感動に至りませんが、ベイヌムの方がもっと規模が大きく、壮大な印象を與へてくれます。それはどうも指揮者の解釈や録音技術だけでなく、ホールの差も現れてゐるのかも知れません。ホーレンシュタインはポリドール(獨逸グラモフォン社)のスタジオで、ベイヌムは音響の素晴らしいコンセルトヘボウホールだからでせう。
 フルヴェン盤 TelefunkenSK3230/32 は勿論、爆撃される前の伯林、舊フィルハーモニーですから、アダージョの奥行きや深さは格別です。明日をも知れぬ、1942(昭和17)年の録音と云ふ、時代背景も加はり鬼氣迫る迫力があり、一音一音いと惜しんで演奏してゐるやうに感じます。

 LP時代では朝比奈隆が大阪フィルを引き連れて、ブルックナーの菩提寺聖フロリアン教會での實況録音は途中樂章の間に、偶然にも教會の鐘の音が入り、神秘的になつてゐました。

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コメント

私もブルックナーの作品の中で7番が一番好きです。
いずれ蓄音機の会で全曲取り上げてください。

投稿: Tiberius Felix | 2007年10月19日 (金) 00時49分

2002年2月16日に、ベイヌム、アムコン盤を既に取り上げてしまひましたので、全曲を掛ける豫定は今のところありません。

投稿: gramophon | 2007年10月19日 (金) 11時02分

 そうでしたか、それは残念。
 
 しかし、5年以上も再登場なしで継続されているというのは、本当にすごいですね。
 ネタを考えるのも大変と思いますが、今後とも楽しみにしております。

投稿: Tiberius Felix | 2007年10月20日 (土) 14時36分

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