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2008年3月27日 (木)

マデラ酒

 大西洋に浮かぶ孤嶋、葡萄牙領マデラ嶋では、シェリーやポートワインと並ぶ世界三大酒精強化ワインが造られてゐます。その多くが料理酒として使はれる爲、單體で飲まれることが少ないものの、高貴な甘味の食後酒としても用ひられます。

 珍しく、そのマデラ酒の業者向け試飲會及び講義がありました。醗酵途中に酒精を強化した後、熟成中に太陽熱により加熱(カンテイロ)させる爲、餘分な成分は蒸發して、旨味だけが凝縮すると云ふもの。その昔、大航海時代にマデラ嶋で積み込んだワインだけが、新大陸へ着いても美味しかったので、大西洋を渡る暖かい海上で熟成されたことを人工的に加熱熟成させたのが始まりだと云はれてゐます。

 そんなことは教科書を讀めば解ることですが、實際に3代目の親父さんが自ら語ると違つて來ます。南部は熟成が早く甘口になるので、北部の粒が小さく酸味が強いものと混醸して釣り合ひを取るとか、狹い畑で棚造りされるとか、一時危うかったところを日本の輸入業者が資本参加して立ち直り、今では年間13,000~14,000箱も日本に輸出してをり、マデラ酒醸造會社全7~8社の中でも突出した量を誇り、信頼関係は絶大なのだとか。

 さてその味はひ。Dry Plainは他の製品に比べて辛口と云ふだけで、非常に乾燥果實のやうな甘くと深い味はひがあり素敵です。同じ價格帶のSweet Plainは甘味の釣り合ひもよくお値打ち商品でした。そして、同一品種のみ10年寝かせたものは、セルシアル、ヴェルデーリョ、ブアル、マルヴァジアの順に鈍重で甘味が増し、アルコールもツンと來る感じです。此処まで來るとフォア・グラや西班牙の生ハムのやうな濃厚な味はひから、林檎パイ、チェコレートムースやダーク・チョコレートのやうなデザートに合ひさうです。以前、ワイン雑誌編輯長が「すき焼にはマデラ酒が合ふんぢゃない?」と言はれたことがありますから、何時か是非相性を試してみたいものです。

ヴィニョス・バーベイト社

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