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2008年5月 8日 (木)

フバイ

 東京文化の小ホールで提琴家、佐藤久成さんの獨奏會へ。以前、ベルランでも演奏して戴いたこともあり佐藤さんは、フルトヴェングラーの〈提琴奏鳴曲〉を彈いたり、埋もれた作曲家を紹介することに力を入れてゐるだけあつて、珍しい譜面を探して本邦初演。シューベルトの〈ロンド〉とグリークの〈提琴奏鳴曲〉を最初と最後にして、ヴィクトル・ヴルースの〈提琴奏鳴曲〉、フバイの〈チャルダッシュの情景〉から2曲。SP盤の型録にフバイの名を見たことはあるものの、洪牙利風な曲。

 何処にそんな力があるのかと思ふ程の力強い演奏。もう少し松脂を附けた方がいいのぢゃないかと思ふ位、音樂とは別に切っ先に摩擦音が響く獨特な出だし。練習を重ねたことが判る位、速度もよく、的確な技量と説得力のある響き。子供の洋琴發表會を先日聽いた後なので、專門家の力量の素晴らしさを實感。惜しむらくは、旋律を歌ひ方がやや足りない。歌ふべきところは、もっとゆったり速度を落として歌つてもよいのかも知れません。
 蘇演曲は後期浪漫派らしさに溢れ、垣根を越え、地元の旋律を一所懸命取り入れた秀作ではありますが、耳に心地よい旋律が殘る譯でもないので、廣がらなかつたのでせう。

 再演(アンコール)最初のチャイコフスキイの〈メロディ〉は憂鬱な感傷はなく、飽くまで元氣いっぱい生氣に溢れたもの。もう一曲の曲名は失念しましたが、疲れを知らず技巧をサラリと披露するところはさすがです。
 伴奏の干野宣大さんもよく指が動き、大きな音で提琴を支へてゐました。

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