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2008年6月30日 (月)

開店

Miki 先週の木曜日、小雨ぱらつく中、弊社一階に眼鏡の「巴里三城」が開店。朝、テープ・カットに伴ひ、大家を代表してご挨拶。慣れないことには非常は疲れます。お陰で夜から蕁麻疹。帶状疱疹が治ったばかりと思ひきや、まだまだ疲れが溜まつてゐるやうです。この湿氣何とかなりませんかねえ?

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2008年6月27日 (金)

梅冷酒

Ume_2 かう暑い日が續くと、つひ涼を求めて冷たいものを飲み過ぎます。麦酒ばかり飲むと、腹が膨れて後の料理が入らないなんてことに。今月から弊社では菊正宗の新商品〈梅冷酒〉と〈生貯藏酒〉を置いたところ、なかなかの評判です。

 酒精度數9%と輕やかな〈梅冷酒〉は佳撰級の原酒に自社製の梅酒を混醸したリキュールタイプです。清酒のもつアミノ酸で元氣になり、仄かに甘酸っぱく、このクエン酸には疲勞恢復効果が期待できます。それに對して、〈生貯藏酒〉は滑らかな口當たりでも、酒精度數15%とボリュームがあり、本格的な生酒です。夏まで冷藏庫で貯藏し、出荷直前に一回だけ火入れしたこの生貯藏酒もお薦めです。孰れも正一合の180ミリリットルと云ふ一人で飲み切りサイズで、然も返却瓶故環境にも優しいのも嬉しいですね。
 是非、次回這入らした時にお試し下さい。各税込840圓。

 

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2008年6月26日 (木)

星合

Hosi 或るお座敷の額はずっと横山大觀の「富士山」でした。ずっと、20年以上一度も變へたことがないので、さすがに薄ぼんやりとした感じで華ぎがなくなり、思ひ切って取り替へです。豫算も餘りありませんので、江戸手拭ひを額に入れてみました。

 淺草の手拭ひ專門店ふじ屋を訪ね、後の季節毎の入れ替へも鑑み、幾つか購入しました。そして、今の季節に選んだものは「星合(ホシアハセ)」!七夕の星合はせと云ふ題の實にモダンな意匠ですが、何と江戸時代、喜多川歌麿のデザインと聞いて吃驚です。

 店に飾ると話すると、ご主人の川上千尋さん自ら、説明して下さいました。1784(天明4)年に、當時最も賣れた戯作者兼浮世絵師の山東京傳が洒落た「たなくひ合わせ」を開いてゐます。平たく云へば「手拭ひ展覧會」!身分、職業の貴賎を問はず、優れたオリヂナルを持ち寄り展示したさうです。繪師や戯作者、妓樓の樓主に花魁、そして大名迄が出品し、大層評判であつたとか。其れ迄は、繋ぎ模様の反物を切り賣りするだけの布地でしたが、それを最初から一枚一枚切り離し、斬新な意匠に現代人以上に驚いたことでせう。
 
 何とも素敵な意匠に脱帽です。

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2008年6月25日 (水)

西の魔女は死んだ

Majo 雨の日曜日に、家族揃って映畫鑑賞。學校のことで惱む長女に心の變化をもたらすかと思ひ、梨木香歩原作、長崎俊一作品〈西の魔女が死んだ〉を觀に行く。

 不登校の中學生「まい」は暫く、英國人祖母の下にやっかいになる。魔女の系統だと云ふ祖母から、草木の智惠を授かり、自分も先の見通せる魔女になる爲の修行を始めるのだった。併し、科せられた課題は早寝早起き、よく食べ、よく運動して規則正しい生活をすると云ふ至つて單純なもの。自分を見詰め、自分で決斷する勇氣を養ひ大人へと成長する過程を描いてゐます。

 靜かな森の一軒家。清里で撮られたと云ふ、祖父が祖母の爲に建てた英國風の家はさもありなん、よくできたセットに感心します。主演の女の子は新人さんですが、温かく見守る祖母役サチ・パーカーの優しい綺麗な日本語も素敵。この人の目元は誰かに似てゐる、とずっと思つたら、なんとシャーリー・マクレンの娘さんでした。12歳まで日本に住んでゐただけあつて、違和感がまるでありません。ママ役りょうもきつい顔が逆にハーフぽく見えますし、
郵便屋の高橋克實も如何にもと云ふ風情、そして、隣の變な親父ゲンジを演じる木村祐一の存在感も光つてました。

「死」とは何か、祖母の温かい言葉、そして最後に傳へられる魔女のメッセージ。幕が降りても、我が家のレディースは目を腫らしてをりました。


西の魔女が死んだ (新潮文庫)Book西の魔女が死んだ (新潮文庫)


著者:梨木 香歩

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2008年6月24日 (火)

750ライダー

750  この間バイクを手放してから、また、乘りたくてウズウズして來ました。今では周回軌道競爭(ロードレース)、世界選手権(MotoGP)觀戰だけですが、隣を走り去るバイクはつひ見とれてしまひます。それまで、決して乘り廻してた譯ではありませんが、持ってるだけでも氣分的に違ひました。型録取り寄せて、最新型にしようか、ずっと迷ってゐますが、今年は自家用車の車檢もある爲、購入は當分先になりさうです。

 我が家はバイクなんかとんでもないと云ふ家庭でしたから、自動車の免許と一緒に取る譯にも行かず、28歳になつて念願叶ひやっと取得しました。では、自動二輪が好きになつたのは、何時であつたか、ふと考へると、どうも小學校高學年の時に嵌つた漫畫に辿り着きます。

 石井いさみ著 『750ライダー』 秋田書店!

 これを「七半ライダー」と讀みます。バイクに乘る人全てが暴走族だと思はれてゐた時代に、バイク通學が禁止されてゐるにも拘はらず、高校生の光は排氣量750ccを乘りこなして通學してゐました。所謂、青春學園ものですが、小學生には格好いい高校生は憧れでしたねえ。細かい内容はすっかり記憶から抜け落ちてますが、あんな風に乘りこなしたいと思つてゐました。70年代の主人公は皆、長髪で前髪がギザギザとして、すらっとしてゐたものです。
 今ではウェブ上で購入閲覧もできる時代ですが、新書版全巻是非讀み直してみたいものです。


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2008年6月23日 (月)

Kazuya 近頃テレヴィジョンで騷がれてゐると云ふ和菓子を豫約の上、やっと手に入れました。帶状疱疹も落ち着いたので、勝手に快氣祝ひです。

 噂を聞き、有樂町の雑居ビルの地上階を訪ねると、廊下の一部を間借りしてゐるのかと思はれる程、小さな店でした。豫約ができるとの札を見て出直し、電話した次第。ご主人ひとりで仕入れ、仕込み、電話番、梱包販賣してゐると云ふのも頷けます。
 
 この季節の「かずやの練」は「抹茶」だけですが、プルルンとした触感、口に廣がる抹茶の香りと適度な甘味。何と上品な味はひでせう。他に似た味はひがないので、比較できません。安易に新感覺と言つてはいけないでせうが、舌上の柔らかさ、滑らかな解け具合、絶品です。ひとりで6個位平氣で食べられさうです。一時の涼を得るのに相應しい爽やかさが心に殘ります。

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2008年6月20日 (金)

船上パーティー

Yusen 日本郵船歴史博物館のその企劃展示も素敵でした。そもそも、退屈な船旅を少しでも樂しませようと、樂焼きもあり、下船時に渡したと云ふ粋な計らひもありましたが、何と言つても食べ物が最大の樂しみです。喜劇王チャーリー・チャップリンも氷川丸を選んだのは、食事であつたさうです。
 「豪華客船の食」では、單調になりがちは食事に日本ならではの工夫を凝らし、ホテル同様の質の高い料理を提供してゐたさうです。然も、單品料理(ア・ラ・カルト)を導入し、客のどんな料理の註文にも應へると云ふ徹底ぶり。特に「すき焼パーティー」は評判を呼び、必ず航海中一回は催したさうです。

 甲板に蓙を敷き、紅白幕で囲ひ、卓袱臺に電氣コンロ、岡持まで用意して、雰圍氣を盛り上げたらしく、その様子も再現されてゐました。殘念乍ら撮影禁止でしたので、畫像はありません。今、行けばパンフレットが戴けます。
 何だ、すき焼は日本を代表する肉料理ではありませんか。このところ和牛は高いだけだとか、脂身が嫌だとかお客さんに叩かれてましたので、誇りを取り戻した感じです。

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2008年6月19日 (木)

繪附

Fune この間の土曜日は、横濱に在る日本郵船歴史博物館へ行つて參りました。
 丁度、企劃展示として「豪華客船の食」と云ふのがあり、關連の催しとして「食器を描かう」と云ふ體驗講座(ワークショップ)に家族で參加しました。ノリタケの森クラフトセンターより講師が來て、まづ手解き。通常、釉(ウハグスリ)を塗つて焼いた白い磁器に繪を描く際は、岩石を元にしいた顔料を油で溶いて筆で描きます。併し、指紋も附き易く、アルコールで拭かないといけないので、まるで水彩繪の具のやうに描く方法で挑戰です。水で溶いた顔料を小皿に取り、そこに定着液を一滴垂らして、それを使つて描きます。
 自由に色を混ぜて描くことはできますが、基本的に重ね塗りができません。二度目の筆の水分で前に描いたものが擦り取られ、白くなつてしまひます。また、赤を發色させるには鐵分の入つた顔料を使ふ爲、他の色と混ぜることができません。これがなかなか難しい。乾いた部分はちり紙で拭き取り、何度でも描き直すことが可能です。

 今年は勝手に船を主題にしてまして、しつこく船の繪にしました。今回は郵船に敬意を拂ひ、赤二本線の煙突1本立ての豪華客船。喫水線下の赤や日の丸の赤が他の滲まないやうにするのがたいへんです。やり直せば、それだけ形が崩れ、空には雲もお天道様も似合はず、結局一面陽光の黄色で仕上げました。携帶電話で撮影した畫像を寺内さんにお見せしたところ、褒められていい氣になつてゐます。通常、船は真横が多いのに、斜め下からの構圖は珍しいとのこと。昔のポスターの見過ぎでせうか。完成品が樂しみです。

 

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2008年6月18日 (水)

器の意匠

Arita 伊勢丹では丁度「李荘窯」の展示即賣會があり、そちらにお邪魔しました。寺内信二さんご本人も居らして、昨年有田での話や今後弊社での扱ひ等で盛り上がる横で、次から次へと賣れて行きます。百貨店により随分と客筋が違ふのだとか。前回は玉川高嶋屋でしたが、今回は老若男女幅廣くお買ひ上げ戴いてゐるとのこと。
 この焼き海苔が一枚置いてあるやうな意匠は既に江戸時代の復刻ださうです。何とも斬新な意匠に吃驚。白洲正子さんがオリヂナル古伊万里を持つてゐたのを見せて貰つて復元したさうです。その奧のギザギザも元は江戸時代の意匠だとか。現代人よりも自由な發想をもつてゐたのかも知れません。

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2008年6月17日 (火)

祝開通

Fukut 新しもの好きの江戸ッ子としては、どれ程便利か確かめ度、開通間もない副都心線に乘車。將來、澁谷驛で東横線に繋がる爲、既にホームには東横線からの引き込み線路が在り、兎に角、大勢の人でごった返してゐました。
 今まで、自宅から伊勢丹へ行かうと思へば、山手線で新宿へ出て、だいぶ歩かねばならず、何となく億劫な感じで、紀ノ國屋のついでに行く百貨店でしたが、近年の改装も功を奏して目的地になりました。然も、澁谷から何と近いことか。一番前の車輛に乘れば、丸の内線のホームを經て、直ぐに伊勢丹地下入り口に到達。素晴らしい。
今まで池袋が埼玉縣の玄關口でしたが、これからは澁谷が始點となることでせう。その所爲か、そちら方面からいらした人が多かつたのか、但し、日曜日の午後でしたので人の波に揉まれ、すっかり疲れ果ててしまひました。


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2008年6月16日 (月)

ブイヤント航空

 今期から末席に入れて頂いたブイヤント航空懇親會の総會が上野文化會館で開かれたので初めて出席しました。會長は東大名譽教授、それに日本飛行船の社長、エアロノーツ社長、都立航空工業高等專門學校講師等、飛行船関連の仕事をされてゐるお歴々の中で、ひとり飲食店經營者は浮いてました。それでも、ツェッペリン伯號の船内料理を再現したのは私くらいなもので、今回そのことに就いて會誌に寄稿した爲、色々お話しもでき、収穫大でした。

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2008年6月13日 (金)

鎌倉驛前

Miyokawa 「御代川」のご當主から新しくお店を開いたと云ふ案内を戴き、いざ鎌倉へ。何と驛の真ん前!驛前角の一等地に御代川さんの日本料理「鯉之助」と地下階にすし処「きみ」が完成しました。先代のお父様とお母様のお名前を附けたと云ふ、無駄のない、とても明るく素敵な店です。

 銀行の建物を競賣で競り落として一棟買ひの上、自慢の和食と寿司のお店を開くことになつたとか。戰前、關東随一と云はれたを料亭「新喜樂」の最年少料理長として活躍された先代が戰後獨立して、赤坂見附に店を構へたのが最初ださうです。政財界、文化人等著名人が來店したことは、鎌倉店へ行けば分かります。數々の書や繪が所狭しと飾られてゐて、いちいち唸るばかりです。棟方志功、福王寺法林、奥村土牛、前田青邨、岩橋永遠、最近では平山郁夫、緒方拳の書に母校寄附の競賣で落札したと云ふ吉永小百合の着物まであります。繪に興味なくとも、葉山牛の料理は氣になりますね。

 またひとつ、訪ねたい場所が鎌倉に増えました。

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2008年6月12日 (木)

現代かなづかい

 敗戰の混亂期に、進駐軍に即されて1946(昭和21)年に内閣告示された、日本語表記の一種が現代にまで生き延びてゐます。まあ、私のやうに正字舊假名遣ひが好きな者にとつては、憎ッき金田一京助と並んで、一千年に亘る日本語の傳統を破壞された忌まわしい法律だとしか思へません。

 まづもつて、語源が判らない。濁音も「三日月」を「みかづき」、「融通」を「ゆうづう」、「鼻血」と「はなぢ」、「地震」をと「ぢしん」としなければ、意味が通じないなんて、屁理屈を捏ねてゐたら、同じやうに感じる人がゐました。

 荻野貞樹著 『旧かなづかひで書く日本語』 幻冬舎新書 には、未就學幼兒だらうと、きちんと教へればちゃんと讀めることだとか、舊假名の方が動詞の變化が外國人にも判り易いことや、由々しき事態の發端に就いて書かれてゐます。これを讀むと、我が意を得たりと云ふ感じで微笑が零れます。古典に親しめずして、文化の繼承はあり得ません。四苦八苦して歐州人が希臘古典やラテン語を學ぶ位ですから、せめて自分だけでも正字舊假名遣ひを遣ひ續けようと思ふのでした。

旧かなづかひで書く日本語 (幻冬舎新書 は 1-1)Book旧かなづかひで書く日本語 (幻冬舎新書 は 1-1)


著者:萩野 貞樹

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2008年6月11日 (水)

舞臺裏

OkepiOkep2 《ラ・トラヴィアータ》公演前に應募すると、抽選で「舞台裏(バック・ステージ)ツアー」があります。たつた20名限りですから、毎度應募して、一度として當つたことがなく、今回は既に行ったことのある友人も出したら、當選し譲ってくれました。

 小一時間、オケピ、舞臺袖、上手側舞臺、主舞臺、下手側舞臺、奧舞臺、組立場と順繰りに解説附きで見せて戴きました。普段客席から全く見えないところを細かく説明して下さり、我々がうっとりしてゐるところを、舞臺裏では秒刻みで背景を動かしたり、照明を工夫したり色々たいへんなんだとやっと理解しました。特に今回の演出では、大道具を手動で動かしてゐたことに吃驚。繩を引っ張り、装置の中で押して、指揮者の緩急に合はせてゐたとは… 知れば知るほど、樂しくなります。

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2008年6月10日 (火)

道を踏み外した女

 ヴェルディの歌劇《ラ・トラヴィアータ》を新國で觀る。日本ではアレクサンドル・デュマ・フィスの小説『椿をもつ女』から、《椿姫》と呼ばれることが多いものの、ヴェルディとしては現代劇なので、當時の道德觀に從つて《道を誤った女》乃至《道を踏み外した女》と改題したやうです。

 粗筋は有名なのですが、念の爲…
 巴里のサロンで、高級娼婦ヴィオレッタに自分の戀を打ち明けたアルフレート。金の絡まない純真な愛に心を打たれ、同棲を決意します。(第一幕)
 巴里を離れて3箇月も仲睦まじく暮らしてゐますが、實はヴィオレッタが自分の私財を削つて生活してゐたのでした。そこへアルフレートの父ジェルモンが、娘の結婚の爲に別れてくれと迫ります。既に結核に冒されてゐるヴィオレッタは死を覺悟してゐて、アルフレートの爲に泣く泣く別れを決意し、巴里へと戻ります。併し、事情を知らないアルフレートはそれに怒り、我を忘れて追ひ掛け、サロンで賭博で勝つた金をヴィオレッタに投げ附けて侮辱します。今はドゥフォール男爵に囲はれてゐるヴィオレッタの爲に、男爵はアルフレートに決闘を申し込むのでした。(ダニ幕)
 既に病状も惡化したヴィオレッタは床に伏し、アルフレートとの再會だけに希望を繋いでゐます。ジェルモンの手紙から、男爵は傷附くも快方に向かひ、外國に逃れたアルフレートも直に戻ることを知らされ、まだか、まだかと待ち續けてゐます。やっと戻ったアルフレートと愛を確認し合ひ、恢復を誓ひますが、時既に遅く事切れてしまふのでした。(第三幕)

 今回は再演でしたが、ルーカ・ロンコーニの演出が19世紀半ばの巴里の建物内部を忠實に再現してゐて、それが下手から上手へ壁やソファが動き、澁い大人の味はひがありました。派手に哀れを誘ふ女性として描くこともできるのに、しっとり耐える女として捉へ、落ち着いた色調が暗い歐州の冬と室内の瓦斯燈と相まつて、よい雰圍氣を釀し出してゐました。
 上岡敏之の指揮は、かなり獨特なテムポで、メゾ・ピアノ位で然も中途半端なテムポで始まり、幕が上がると突然アッチェルしてがらりとアップ・テムポにしたのは面白ひものの、聞かせ処は伸ばし過ぎて、ややもたつく感じもして、こなれてゐない印象が強かったです。

 歌手陣は細かいことを言へば、エレーナ・モシュク(ヴィオレッタ)は所々聲が出てゐないものの、演技はよく、ロベルト・サッカ(アルフレート)は若くもないのに無理してる感じがややもして、ラード・アタネッリ(ジェルモン)は低音を響かせ貫禄がありました。全體的には十分合格の樂しめる作品に仕上がつてゐました。

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2008年6月 9日 (月)

ドッペルゲンガー

 自分の姿をテレビで觀ると云ふのは不思議な感覺でした。自己像幻視(ドッペルゲンガー)ぢゃありませんが、自分は此処に居るのに、分身が映つてるとでも云ふのでせうか。どの科白が殘され、どこがカットされてゐるか、事前に全く知らされてゐませんので、心配でもありました。

 美術鑑賞の3つのツボを押さえると云ふ番組「美の壺」の蓄音機3つ目のツボ「ポータブル」として紹介された譯です。自宅庭の情景では、クナの「こうもり」序曲を掛けて景氣よく行くつもりでしたが、しっとり聞き入る場面にしたいと言はれ、仕方なく色刷り宇宙人レーベルの綺麗なマックス・フォン・シリング指揮の〈ローエングリン〉第1幕への前奏曲に替へました。ところが、本番は何の知らせもなく、ジーリの〈誰も寝てはならぬ〉に替へられてゐました。して、やられたり。

 箱根のロケーションでは、幾度も同じ曲を掛けさせられ、SP盤が磨り減ることを全く容赦してくれず困りましたが、あんなに撮影して、ほんの僅かしか映つてゐないことに吃驚。それでも、制作會社の意向は確實に視聽者に傳はつたことでせう。

 他の蒐集家の世界一とも賞されるHMVロイヤルは象眼を見せる爲に妙な掛け方をしてゐたのが氣になりました。上蓋は開けてSP盤が回るところは映しても、ホーンの前蓋は開けずにをいては、いい音は決してしないどころか、映像だけの爲に撮つたことがバレバレでした。まっ解る人には解るやうにしてくれたと考へてをきませう。

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2008年6月 6日 (金)

美の壺

 愈、今晩10時より、NHK教育テレビ「美の壺」に出演です。放送されたら、打ち明け話でも…。

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2008年6月 5日 (木)

愛宕山

 來たる7月30日(水)18時30分より、すき焼今朝、大廣間に於いて、薩摩琵琶奏者、友良鶴心さん演奏による  
《愛宕山》を聽いた後、しゃぶしゃぶと日本のワインを樂しむ會を開きます。

 德川家光の時代、愛宕山の急階段を馬で驅け上がった曲垣平九郎の武勇傳を語る琵琶樂《愛宕山》。講談《寛永三馬術》にも出て來る有名な話らしいのですが、當年とつて44歳の自分は全く知らず仕舞ひ。だいたい、講談と云へば、せいぜい夏に流される《牡丹灯籠》か、《番町皿屋敷》のやうな怪談話が關の山。ところが、70代の親父の世代の人に「愛宕山」と尋ねれば、直ぐ様「曲垣平九郎」の名が上がります。こんなところにも、世代の差があります。ましてや、ギャル男くんたち20代とは隔世の感がありますね。

Music講談十八番大全集 寛永三馬術


アーティスト:大島伯鶴(二代)

販売元:インディーズ・メーカー

発売日:2006/10/06
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2008年6月 4日 (水)

短歌

 帯状疱疹は治癒するのに3週間は掛かるのだとか。チクチク痛くて、じっとしてるのもたいへんです。少しは氣が紛れるかと思ひ、また、短歌を始めました。と言つても、詠んでると恨み辛みになりかねませんから、リズムを捉へる爲に『古今和歌集』を讀み始めました。何を今更の感は否めませんが、今は文庫でも數多く出てゐますし、花鳥風月、日本の季節の移り變はりがこんなに情緒豐かに詠はれてゐて正直吃驚。今まできちんと讀まなかつたことが悔やまれます。

古今和歌集 (岩波文庫)Book古今和歌集 (岩波文庫)


著者:佐伯 梅友

販売元:岩波書店
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この岩波版ですと、細かい注釈はあつても、現代譯がないので、勝手に樂しめます。

振り假名附きで聲に出して讀むには、角川ソフィア版がよささうです。

古今和歌集 (角川ソフィア文庫 81 ビギナーズ・クラシックス)古今和歌集 (角川ソフィア文庫 81 ビギナーズ・クラシックス)


販売元:角川学芸出版
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讀み終はつたら、『新古今』にも挑戰です。この二冊は傍に置いていつでも見られるやうにしたいですね。


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2008年6月 3日 (火)

ブツブツ

 どうも疲れが抜けない、だるいと思つてゐたら、免疫力も低下して、帯状疱疹になつてしまひました。暫く、夜の勤務は控へます。

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2008年6月 2日 (月)

ドイツワイン

Haag この土曜日に、都廳第一本廳舎45階、南展望室で第4回「獨逸ワインフェスト」が開かれました。普段、業者向けの無料試飲會ばかりですが、この催しは一般向けの有料試飲會で、成人してさへゐれば誰でも參加できるものの、お客さんの品位が心配で行ったこがありませんでした。

 是非にと乞はれて、行ってみると雑誌『ゴーミヨー』過去15年間に最優秀醸造家とされた15の藏のワイン、15種が飲み放題。真ん中の卓子には獨逸の黒パン類やチーズもありました。飲み過ぎることは判つてゐましたから、19時の開宴前に輕くパスタを食べて行ったのが大正解。酔ひません(笑)。

 エゴン・ミュラー、シューベルト、DR.ローゼン… 有名な藏から無くなつて行くのは目に見えてゐたので、順番通りではなく名前で選んで15種、QbAの辛口かカビネットの辛口が主で赤ワインは2種のみでした。他に今後期待されるワイン4種と全19種を制覇して、丁度お開き。多くの知人に遇ひ、藏による個性の違ひを樂しめましたね。
 11番のモーゼル地方のフリッツ・ハーグ家〈リースリング〉がミネラルの香りも豐かで、酸味と甘味の釣り合ひも取れて、割とコクもあり、餘韻もすっきり後味もよく、素晴らしかったです。

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