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2008年6月 9日 (月)

ドッペルゲンガー

 自分の姿をテレビで觀ると云ふのは不思議な感覺でした。自己像幻視(ドッペルゲンガー)ぢゃありませんが、自分は此処に居るのに、分身が映つてるとでも云ふのでせうか。どの科白が殘され、どこがカットされてゐるか、事前に全く知らされてゐませんので、心配でもありました。

 美術鑑賞の3つのツボを押さえると云ふ番組「美の壺」の蓄音機3つ目のツボ「ポータブル」として紹介された譯です。自宅庭の情景では、クナの「こうもり」序曲を掛けて景氣よく行くつもりでしたが、しっとり聞き入る場面にしたいと言はれ、仕方なく色刷り宇宙人レーベルの綺麗なマックス・フォン・シリング指揮の〈ローエングリン〉第1幕への前奏曲に替へました。ところが、本番は何の知らせもなく、ジーリの〈誰も寝てはならぬ〉に替へられてゐました。して、やられたり。

 箱根のロケーションでは、幾度も同じ曲を掛けさせられ、SP盤が磨り減ることを全く容赦してくれず困りましたが、あんなに撮影して、ほんの僅かしか映つてゐないことに吃驚。それでも、制作會社の意向は確實に視聽者に傳はつたことでせう。

 他の蒐集家の世界一とも賞されるHMVロイヤルは象眼を見せる爲に妙な掛け方をしてゐたのが氣になりました。上蓋は開けてSP盤が回るところは映しても、ホーンの前蓋は開けずにをいては、いい音は決してしないどころか、映像だけの爲に撮つたことがバレバレでした。まっ解る人には解るやうにしてくれたと考へてをきませう。

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コメント

以前、梅屋さんでお目にかかり、オケ物SPのお話をさせて頂いた者です。大変ご無沙汰しております。
テレビ拝見しました。実は私もフロア型蓄音機の前面扉を開けずに音を鳴らしているのを見てアレ~??と思っていた一人です。
ジーリの歌のところは本当はシリングスのワグナーだったんですね、蓄音機のアコースティックなイメージを視聴者にアピールするには声物の方がわかりやすいという話にでもなったんでしょうか。。
個人的にはクナやらシリングスの方が良かったのですが!(笑)
因みに私もミクシイにて(書く事もそうそう無いので)時々SP盤の紹介をしておりますのでお暇な時にでもご笑覧下さい!(名前はSHINYAです。)

投稿: SHINYA | 2008年6月 9日 (月) 21時23分

SHINYAさん、ご無沙汰してゐます。コメントありがたうございます。
出演者は意見を述べるのではなく、制作會社の意向に沿つて演技すればよいことが、よくわかりました。
生憎とミクシイはやってません(涙)。

投稿: gramophon | 2008年6月10日 (火) 13時48分

こんばんは。
ハードディスクレコーダーに録画しておいたものを、ようやく拝見いたしました。

ふたの開け閉めに関しては、本当に違和感がありましたね(笑)
でも、音を聴く限りではちゃんと鳴っていたので、音だけ別にとって重ねていたのでしょうか。

それにしても、ご家族で楽しそうなピクニックでしたね。
奥様があまりはっきり映っていらっしゃらなかったのが残念でした。

投稿: Tiberius Felix | 2008年6月17日 (火) 01時07分

映畫專門の照明さんであつた爲、映像はかなり凝った作りでしたが、監督が音を愛してゐないのがバレバレでしたね。蓄音機の音は演技なしで、その場で別録りでした。これも、よその人の聲が入ったりで、何度か録り直ししました。

ピクニックはよく行きますが、蓄音機を持って行ったのは初めてでした。撮影がなければ、好きな曲も掛けられて、もっとよかった筈です。

かみさんは當初、全く映りたくないと云ふのを無理矢理出させた爲、回答も撮影しましたが、あれだけで十分滿足してをります。
まあ、いい記念になりました。

投稿: gramophon | 2008年6月17日 (火) 10時06分

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