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2008年8月29日 (金)

麻屋ワイン

A1 勝沼には、まだまだ訪ねたことのない葡萄酒醸造所が在ります。今回、試飲會で顔見知りになつた雨宮一樹さんを訪ねて、麻屋ワインへ。日曜日は基本的にお休みなのにわざわざ見せてくれました。

 裏の試驗農場には棚式で他品種が植ゑられ、葡萄の様子が判ります。整理整頓された醸造器具、温度管理のされた室内に置かれた大小様々な醗酵用や貯藏用の琺瑯タンク、數はなくとも存在感たっぷりの木樽たち、地下の瓶貯藏庫は時折水が出ると云ふ地下3米の立派なもの。聞けば、ワイン50種を仕込む中規模醸造所でした。
葡萄房を引き取り、「一人5屯仕込み」だなんてことも最盛期にはあるのだとか。
 貯蔵庫上の試飲及び販賣所は細長く、綺麗に改装され(窓から葡萄棚が見え)、雰圍氣を盛り上げてくれます。然も、天然酵母パンも出して戴き、2時間15種を飲み比べしました。

 若い醸造責任者である雨宮さん自らの説明ですから、収穫時期、酵母の選擇、醸しの時間、古樽の利用等こと細かに熱い思ひを語つてくれます。かなり主觀的な感想ですが…

 2007年産〈甲州〉シュール・リー: 柑橘系酵母を利用したと云ふだけあつて、おとなしい香りでも酸味のしっかりとした輕やかな味はひ。スポーツマンの雨宮さんの雰圍氣が出た爽やかさがあり。

 06年産 限定〈甲州〉: 頑固な葡萄農家一軒の甲州種を遅摘みし、昔からある酵母で仕上げ、やや色も濃く、凝縮感のある味はひに成功。存在感のある〈甲州〉!

 06年産〈甲州〉樽醗酵: まだ試行錯誤の状態で、樽毎に違ふ酵母を試し、よいものを翌年選んで使つて行く段階。石油系の接着剤のやうな揮發臭、酸味もしっかりとして、僅かに木樽の雰圍氣が殘る優しい味はひ。

 06年産〈甲斐ブラン〉: 甲州種とピノ・ブラン種を掛け合はせて山梨で造られた品種。皮は薄いと云ふ。白ワインとして全く飲み飽きしない味はひが嬉しい。

 05年産〈シャルドネ〉: 香りはおとなしいものの品があり、まろやかな酸味、ふくよかさがあり、口の中で廣がる力強さが素晴らしい。メルシャンの「北信〈シャルドネ〉」のやうな究極の上品さはないものの、食事に合はせたくなる樂しみなワイン。

 05年産〈カベルネ〉ロゼ: 玉葱皮色した辛口。シュール・リーをした爲か、見た目よりコクがあり、澁い、通好みの味はひ。

 06年産〈カベルネ〉ロゼ: 一年若いだけでなく、鮮やかな色合ひに、華やかさを持たせた味はひ。豚肉料理、冷しゃぶ、トンカツにも合ひさう。

 06年産〈マスカット・ベリーA〉: 遅摘みにして香りが一番出た完熟した〈マスカット・ベリーA〉を使ふことにより、鼈甲飴のやうな甘い香りを最大限に引き出した味はひ。赤紫色で、決して甘くはないものの米國産古オーク樽に寝かせ、角の取れた飲み易さがあり。焼き肉やバーベキュー等氣樂に野外で味はひたい。

 03年産〈甲斐ノワール〉: 冷夏の年故、色附きが難しかつたと云ふ。酸味の強い品種故、その酸味をどのやうにするかで造り手の腕が見える。加齢による落ち着きがある。生ハムやサラミが食べたくなる。

 05年産〈甲斐ノワール〉: 優しい酸味が氣にいり、すき焼「今朝」のワインリストに載せてゐるもの。葡萄の軸裏迄色附き、種まで香ばしい完熟した葡萄果を使ひ、3週間の果皮接触(スキン・コンタクト)により色も濃く、米産オーク古樽で寝かせ、ほのぼのた優しい味はひに。料理を邪魔しない、それでいて主張もあるまろやかな飲み心地が素敵です。

 04年産〈メルロー〉: 山梨市の自社畑で棚栽培。樽熟も加はり、インクのやうな濃い色調、滑らか味はひは豪洲産のビフテキにも合ふでせう。

 05年産〈カベルネ・ソーヴィニヨン〉: 樽熟成、瓶熟成が加はり、カベルネらしい味はひ。和牛ステーキにはこちらの方が合ひさう。

 06年産〈カベルネ・ソーヴィニヨン〉: 瓶詰めしたばかりの若さの溢れた赤ワイン。色の出が難しい年であつたと云ふ割に、青紫色も濃く、酸味、澁味も口の中で暴れ、お轉婆娘な感じ。少し寝かせれば、綺麗なお嬢さんになること間違ひなし。

 07年産「生き生き山梨」白: 甘口〈甲州〉が、長い試飲の後にほッとさせてくれました。食前酒として、會席の前にでも戴きたいもの。和みの甘口と酸味の調和。

 07年産「生き生き山梨」ロゼ: 〈マスカット・ベリーA〉の甘い香りそのままに飲み易い味はひ。ワインは辛口だけではなく、かうした甘口も必要。

 機會があれば、積極的に利用したいワインばかりでした。

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