« マイセン | トップページ | 紅繁縷(ベニハコベ) »

2008年9月11日 (木)

Non, je ne regrette rien

 波瀾万丈の人生を歌に捧げたシャンソン歌手エディト・ピアフ(1915 - 1963)。昨年公開された映畫《エディット・ピアフ 愛の賛歌》。彼女を知らない人から、「えっ、海老ピラフ?」と未だに聞き直されますねえ。

 本人の歌ふ曲が次々に流れ、臆病と傲慢さが入れ變はる気弱なピアフは、貧しい生まれ乍らも歌だけでのし上がり、戰後、愛しすぎた拳闘家マルセル・セルダンの飛行機事故から麻藥に溺れ、どうにも立ち直れない時に持ち込まれたこの曲に自身を重ね、巴里の「オラムピア劇場」で再起を誓ふのでした。それが『水に流して』。

  いいえ、ぜんぜん
  いいえ、私は何も後悔してゐない
  私が人にした良いことも、悪いことも
  何もかも、私にとってはどうでもいい

  いいえ、ぜんぜん
  いいえ、私は何も後悔してない
  私は代償を払った、清算した、忘れた
  過去なんてどうでもいい

 どなたの翻譯か知りませんし、正確でないかも知れません。先週末に衛星有料放送で觀たのですが、實はこの間の旅行の際、フランクフルト直行便の中で觀て、號泣してしまひました。案外と涙腺は緩い方なのですが、人の目、家族の目が氣になりぐっと堪えて泣けません。何故かこの時は、無理して休みを取ったり、仕事のこと、色々なことが頭の中を巡り、ドバ~と感情が溢れ出て止められず、聲を出して泣いゐました。前に座る子供たち、隣のかみさんも吃驚して人の顔を覗き込むも、言葉にならず、ぐしゃぐしゃになるとはかう云ふことなのだと合點し、彈けた感情が落ち着くと妙にすっきりしてゐました。音樂は直接心に訴へ掛けるものですね♪

 また、映畫の中の談話で好きな食べ物の問ひに「牛肉のフィセル(Boeuf a la ficelle)」と答へてゐました。食べたことありませんが、牛フィレ肉を紐で括り、紐の片方を鍋の取手に縛り、 野菜ブイヨンの中に肉を垂らして煮込む料理らしいです。


エディット・ピアフ~愛の讃歌~ (2枚組)DVDエディット・ピアフ~愛の讃歌~ (2枚組)


販売元:東宝

発売日:2008/02/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する


|

« マイセン | トップページ | 紅繁縷(ベニハコベ) »

コメント

gramophoneさん、ピアフお好きでしたか!
彼女の表現力とメッセージの伝達力はとにかく強烈ですよね。私も彼女の声に完全にノックダウンされた人間です。あれほど強烈なキャラクターなら好悪が分かれるのが普通ですが、不思議と彼女が嫌いという人は少ないですよね。好き嫌いという前に完膚なきまでにノックダウンですよ(笑)。パリ在住中は、日本から来たお客さんで彼女のファンでもいようものならオランピア劇場やら彼女の生まれたベルヴィル地区やら記念館やらを連れまわして、最後はペールラシェーズ墓地の彼女の墓で「ツアー」を終わる...こういう感じでしたね。人の少ない日曜日の午後にでも遥か遠くにエッフェル塔を視界に入れつつベルヴィル地区でも散策すれば、それはもう彼女の幼年時代の悲惨な境遇を街角の侘しさの中に感じつつ、頭の中に響いてくる彼女の声から発せられる強烈なメッセージに感情が高ぶる......こういう感じでした。

あれこそは退廃、倦怠、混乱のフランス第4共和制の時代、ゴロワーズとジタンの臭いにまみれたパリに響いた声ということでしょうか。(以下で歌詞と映像が参照できます。)
http://www.paroles.net/chanson/19072.1
Non ! Rien de rien
Non ! Je ne regrette rien....ですか。
「私は何も後悔してゐない」よりも、思い切って「私は何も後悔すまい」と訳してみたい気もしますが....。 

投稿: la_vera_storia | 2008年9月11日 (木) 18時02分

la bien RoseのSP盤持ってますよ♪>la_vera_storiaさん
あの癖のある巻き舌に參つた感じです。
是非、一緒に巴里觀光してみたいですね。

投稿: gramophon | 2008年9月11日 (木) 18時23分

La Vie En Roseでした!
からきし佛語に弱い…

投稿: gramophon | 2008年9月11日 (木) 18時33分

初めまして。

この曲、好きなんです。。。
というか、テーマソングです。

トラックバックさせていただきました。

お邪魔しました。

投稿: Kimmy | 2008年12月13日 (土) 20時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/41030/23590702

この記事へのトラックバック一覧です: Non, je ne regrette rien:

« マイセン | トップページ | 紅繁縷(ベニハコベ) »