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2008年12月16日 (火)

文樂教室

 もう40回目だと云ふ、文樂鑑賞教室では、最初にお祝ひに欠かせない《二人三番叟》、解説を挟んで《菅原傳授手習鑑》より〈寺入りの段〉と〈寺子屋の段〉と云ふ魅力の出し物。

 元々、能樂《翁》を義大夫にした《壽式三番叟》の内、《二人三番叟》だけを演じたもの。三味線の合奏に力強く、激しい二人の踊りがずっと續きます。途中、一人の人形が疲れて怠けるのをもう一人が励ますなんて場面もなり、鈴を鳴らして踏み固め、五穀豐穣を願つてゐます。これなら邪氣も拂はれて、清涼になる感じです。能舞臺を模した装置の前で、幸助と一輔の息の合つた踊りに元氣附けられました。

 そして、解説では語り、三味線、人形それぞれの演者が詳しく具體例を見せ乍らやつてくれるので、これなら高校生でも少しは興味をもってくれるに違ひありません。また、〈寺子屋の段〉も大きな圖式を出して、菅丞相(菅原道真)と藤原時平の敵對關係、三つ子乍らそれぞれ就職先が違ふ舎人(牛車を牽く職)となつた梅王丸(丞相家來)、櫻丸(齋世親王家來)そして松王丸(時平家來)の運命を教へてくれました。

 〈寺入りの段〉は松王丸の息子、小太郎が寺子屋に入門する場面です。そして〈寺子屋の段〉は松王丸が今は時平に仕へる身であり乍ら、丞相の恩に報いる爲、自分の息子を身代はりにすると云ふ悲しい話です。松王丸が小太郎の最期を聞き、笑ひ泣きするところがひとつの見せ場ですが、勘十郎さんに比べ、玉女さんだと品がありすぎて、病氣療養中の弱った感じの松王丸でした。自分の子供を身代はりに差し出し殺してしまふと云ふ設定も凄いのですが、親子の情だとか色々考へさせられます。咲甫大夫の通る聲もよく、津駒大夫の情もしっかり傳はりました。

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