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2009年4月30日 (木)

日の丸翻る

AoHirosi 2009年MotoGP日本GP決勝戰午前中は800ccマシン群の音に刺戟された雨雲から、大粒の雨が降り注ぎ俄雨。ところが 125ccの決勝戰が始まる頃には晴れ渡り、地面から湯氣が立ち上り、氣温も摂氏20度まで上がり絶好のレース日和となりました。

 昨年、契約を濟ませてゐたにも拘はらず、突然撤退されてしまつた青山博一選手。樣々な人の努力の結果、古巣のホンダのマシンに乘れることとなり、250cc決勝戰でも終始先頭を引っ張ってゐましたが、ワークスのアプリリア車に敵はぬものの堂々の二位表彰臺。今年は高橋裕紀應援席から觀戰した爲、表彰臺下まで行くことができ、感激極まる博一をパシリ。開發の止まったマシンでよくぞ頑張ってくれました。

 なんと、弟周平もスポット參戰のワイルドカードにも拘はらず、6位入賞と云ふ快擧。勇氣をありがたう、感動をありがたう。青山兄弟の頑張りは明日への力になりました。

 そして迎へたMotoGP決勝戰では初ッ端からヴァレが先頭集團を引ッ張つてゐましたが、ロレンツォに先頭を譲ると、ペドロサと死闘爭ひの結果、見事最終2位表彰臺。ところが、我らの裕紀選手は氣合ひが入り過ぎたのか、5コーナーで前を走るヘイデンに突っ込み、敢へなく退場・棄権。一氣に應援席の熱が冷め、一周終はる前からチラホラと歸へる人も。我々の意氣消沈振りは酷くて、暫く立ち直れず。それでも、ヴァレが必死に2位に食らい附いた姿は天晴れでした。

 大雨の豫選、ピーカン照りの決勝と天候に揺さぶられたのは選手ばかりでなく、我々觀客も同じ。波亂の茂木は幕を閉じました。

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2009年4月28日 (火)

表敬訪問

Taka MotoGPの場合、パドックはピットの背後に在り、バイクの整備、點檢する區域ですが、ごく普通に選手が歩いて移動し、整備士たちが忙しく作業してゐる姿が垣間見えます。事前に特別入場券さへ買へば、身近に選手に遭へるまたとない機會となります。但し、熱狂的なファンが押し合ひ試合前の選手に過度の精神的負擔が掛からぬやうに、昨年からフェンスを設けて制限してゐます。その上、傘を持ち乍らなかなかプログラムの頁を開けず機會を逃すことが多く、今年はMotoGP唯一の日本人高橋裕紀選手、スポット參戰の青山周平選手、125cc期待の星、中上貴明選手、それに獨逸人ライダー、シュテファン・ブラドルからしか貰ふこと能はず。惡天候が恨めしく、足下がずぶ濡れになり乍らもひたすら出待ちをしました。

 畫像は表側の燃料補給やタイヤ交換、修理等を行ふ整備所のピット。孤軍奮闘伊太利のマシンに跨る高校生ライダー、中上貴晶くんのもの。

 パドック内の詰め所で中上くんの出待ちをしてゐたら、ご兩親から大歡迎を受けました。昨年、獨逸GPで一緒に撮った寫眞を送ってゐたので、直ぐに氣附いてくれたのです。たまには髭も役立ちます。建物内に入り、ご本人を呼びにまで行つて下さり、恐縮至極。「お久し振りです」と元氣な挨拶に感激も一鹽。應援にも熱が入ります。但し、雨の中故、傘から滴り落ちる雫で折角のサイン入り記念寫眞も水滴の洗禮を受けてしまひました。持って行ったマジックペンもよく書けない古い方であつたし… 肝心な時にポカをするgramophonでした。おまけに寫眞撮るのも忘れてるし、プログラムにもサイン貰はなかつたし…。

 決勝戰で雨天用タイヤを選擇した中上選手は21位から一時は7位まで浮上したのですが、晴れ渡る天候にタイヤが負けて最終20位と振るわず殘念。これを糧に今週末から始まる歐州戰線を勝ち抜いて欲しいものです。

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2009年4月27日 (月)

豫選中止

Vale 昨日、MotoGP日本グラン・プリが終了しましたが、天候に左右された波亂に富んだ戰ひでした。2日目、土曜日午前中の自由走行は小雨の中、慎重に周回するだけで記録を更新できません。そんな中、タイヤを履き替へただけで意氣揚々と周回を重ねたヴァレンティーノ・ロッシ。
 今年はパドック切符で入れる特設地域が増え、第三コーナーとトンネルを抜けたヴィクトリー・コーナー手間に近附けましたが、足下の芝生はぬかるみ、傘を差しての撮影は困難を極めます。普通のデジカメでもほら、この通り。第三コーナーを水しぶき上げて攻めるヴァレの勇姿!
 午後になると雨脚は強まり、つひに豫選中止に。

Hs キッズ・ピット・ウォークで子供と共にピットを見學。選手のポスターをにこやかなパドック・ガールたちが子供に配ってくれるのですが、生憎の大雨ですぐにグショグショに… 横切るホーム・ストレートも何か寂しさうでした。

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2009年4月24日 (金)

寶物殿

 明治神宮敷地内の寶物展示室では、丁度特別展 ―櫛・簪・宝飾品― 「日本の飾り」をやつてゐました。繊細な櫛や、今はもう使はない簪の細かい細工に歎息を漏らし、一點一點じっくり見られましたが、展示ケースが低く、屈まないと見えないのが難點。

200904181015000 更に本殿横道から奧へ進むと突然原っぱが開け、その奧に新宿高層ビルを背に「寶物殿」が在りました。此処まで來たことが全くありませんでしたが、森の奧にこんな所があつたのかと感慨深いものがあります。

 こちらにはエドアルド・キヨッソーネの描いたご尊影の寫しや馬車等明治天皇、昭憲皇太后縁の机や壺などもあります。随分と鉄筋の立派な帝冠樣式ですが、板張り、格天井、木製の飾り臺も氣持ちよく嚴かな雰圍氣があります。畏くも歴代天皇の肖像畫が飾られてゐますが、神武天皇に會つた人が描いた譯ぢゃありませんから、第124代の昭和天皇まで只單に顔の羅列が不氣味ではありました。所々の注意書きにより時代背景は分かりましたが…

 烏だけでなく人のオアシスとも云ふべきこの杜も人工だと思ふと先人たちの先見の明に驚かされます。

本日から、茂木でMotoGP・日本Grand Prixです。

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2009年4月23日 (木)

奉納

200904180956000

 學藝員の資格を取る爲に通信教育の授業を受け、本を讀んだり、美術館に足を運んでゐます。
 明治神宮にも美術館が在ることを思ひ出して行くと、參道に清酒の反對側に葡萄酒の奉納。よく見るとブルゴーニュの有名醸造所が連なつてゐます。「日佛交流の云々」との但し書きに奉納の由來が書いてありました。

 さて、『古事記』に

 伊邪那美命(イザナミノミコト)、吾に恥を見せつ、言ひ、令して、即ち、
豫母都志許売(ヨモツシコメ)を遣はし、追はす。

 ここに伊邪那岐命(イザナギノミコト)は、黒御鬘(クロミカヅラ)を取り投げ棄(ウ)つれば、
乃、蒲子(エビカヅラのコ)が生まれ。是を拾ひ食(ハム)の間に逃げ行く。

 と葡萄が出て來ます。髪飾りにしてゐたクロミカヅラを投げると、エビカヅラのコ(野葡萄の實)が生まれ、ヨモツシコメが食べてゐる間に、イザナギノミコトは逃げたと云ふ記事です。葡萄の實が醗酵してワインになつたとまで書いてありませんが、神事に少しは關係あると云へませうか。

また、お日柄もよいのか結婚式が幾度も行はれてゐました。
200904181002000


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2009年4月22日 (水)

豪快

200903291949000 家族連れ同士で出掛ける店は案外限られてしまふもの。子供は子供だけ、親は親だけでゆっくり話せる場所はなかなかありません。人に迷惑を掛けないやうに氣を遣ひ、子供たちから目が離せず、却って疲れてしまひます。それ故、或る程度ガヤガヤしてゐてくれた方が助かります。

 先日、訪れた「アウトバック」は豪州風ステーキ屋。玉葱を菊花のやうに包丁を入れたフライ、分厚いステーキが賣りものですが、顎が疲れるでせう、それで骨附リブ肉をかみさんと二人で分けました。一尺はある豪快な肉料理故、手を使つて食べたいところですが、髭が汚れるので飽くまでフォーク&ナイフ。

 表装を習ひに行ってから、尺貫法に慣れて來て、30cmよりもやや長い一尺が皮膚感覺で分かって來ました。

 加州産のワインと共に氣分は牛飼ひの如く。カウボーイも「牛飼ひ」と書くと平安時代の牛車の先導みたいですね。こちらは桃尻語譯『枕草子』の所爲で、どうも平安朝に傾いてゐます。

桃尻語訳 枕草子〈上〉 (河出文庫)Book桃尻語訳 枕草子〈上〉 (河出文庫)


著者:橋本 治

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2009年4月21日 (火)

墨繪

200904171702000 先週、宮本沙海さんの書畫展を見に行く。今回は寄贈作品特輯。ベルランにも幾度も足をお運び戴いた氣さくな方。傍で見ると何だか、もやもや、ごちゃごちゃしてゐるやうでも、一二歩遠ざかると突然風景が廣がることも。何ともない石神井公園の繪でも、自轉車に乘つてよく行かれるだけあつて、繪に躍動感があるから不思議。

 今回、一番驚いたのが習ひ始めた表装のお陰で、掛け軸の回りばかりが氣になりました。大きな作品の裏打ちはたいへんであつたことだらうとか、こんな細かな作業をしてゐるだとか、色合はせの妙技だとか、軸先だとか、たいへん勉強になりました。
 既に2作品目も裏打ちをして、切り分けて接合したので、次回は細々とした作業をして、その次にはきっと総裏打ちとなり、初回一作品3箇月6回で仕上げたことを考へると、だいぶスピードが出て來ました。
 

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2009年4月20日 (月)

モノとカネ

 永遠に値上がると信じた土地神話にしがみ附き、米國の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライム・ローン)の危險(リスク)を分散する爲に証券化したものが、ひとたび住宅價格が頭打ちになると、連鎖反應のやうに世界中の金融機關が窮地に追い込まれる現在の状況が作り出されてしまつた。

 作ったモノに對してのカネであつた實物經濟が、金融と云ふ名でカネがカネを生む状態を生み出し、際限なく欲望のまま走り抜けたところが、この不況です。リーマン・ショック以降、百年に一度の不況と云ふものの、明日の行く末を恐れ、慌ててゐる以上これは「恐慌」と言つてもよい状態だと、濱矩子は著作『グローバル恐慌 -金融暴走の果てに-』 岩波新書 2009年の中で述べてゐます。飲み屋のツケを福袋にして賣るだとか、平易な喩へで現況を鋭く判斷してゐます。

 民族一國家の時代は過ぎ去り、米國一國支配も終はり、これからは統一通貨毎にまとまつて行くのか、豫断が許せません。

 本日、加藤大治郎の命日。合掌。

グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)Bookグローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)


著者:浜 矩子

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2009年4月17日 (金)

儒教の教へ

 規模の擴大だけを目指した20世紀型の經濟は今後續けられない以上

 「部下」と一緒にやせた現場を歩き回って、「さて、どうするか?」と考へることでせう。

と橋本治は自著『上司は思ひつきでものを言ふ』 集英社新書 2004年 の締め括りの言葉にしてゐます。この人は視線が違ふので、滔々と日本の會社と云ふ組織を考へ、結局、聖德太子が「儒教を日本人のメンタリティに導入」したからだと結論附けてゐます。それ故、今に至る序列のある官僚制度が崩されず、上司は德を積んだ偉い人だと勘違ひし、その上司も突拍子もないことを言つてのけて、またそれが通る組織なのだと指摘してゐます。
 日本の會議は「前提の最終確認」しかなく、結論に至らないと云ふ發見。「他と違つたことを平氣でやる」國民性。現場主義の日本はまだまだ、物造りでも世界に負けないものをもってゐるのでせう。希望がもてます。

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)Book上司は思いつきでものを言う (集英社新書)


著者:橋本 治

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2009年4月16日 (木)

巡る

 課題提出の爲、美術館巡りをしました。歩いて行けるところは片ッ端から攻めてやろうと氣持ちだけは前向きです。

 ○柿右衛門展 (戸栗博物館
  古伊万里、有田燒縁の舊鍋嶋藩邸跡に建てられた古陶磁専門美術館。一昨年の有田訪問、昨年のツヴィンガー宮殿内(ドレスデン)でザクセン王の蒐集を觀た爲、親しみがある。數は少ないが、説明文も丁寧で見易い。

 ○中島修展 (ギャラリーTOM
  特に視覺障害者が喜ぶ、作品に触れることでも有名な異色美術館。こちらのヒゲを見たからか「彫刻関係のお仕事ですか」と尋ねられた。現在は企劃展示ばかりらしい。リンツ(墺地利)在住の彫刻家、中島の作品は瑞典(スウェーデン)の黒い御影石の光澤、滑らかさ、光と陰、裏を見ると全く趣の違ふ不思議を味はへる。


 ○廖修平・江明賢二人展 (松濤美術館
  區立ですが、石垣のやうな重厚な入り口、圓形の建物中央は噴水と池になつてをり、ぐるりと回るやうに展示室が在り、二階では作品を見乍らカフェも頂ける。臺灣の作家の版畫及び南畫。総督府等日本人設計の建物が多く描かれ、説明文も秀逸。ゆっくり見られました。

 ○忘れえぬロシア 国立トレチャコフ美術館展(Bunkamura ザ・ミュージアム
  文化村地下の企劃展のみの美術館。「忘れ得ぬ女」はもっとタカビーな嫌味な女性の印象であつたが、實際に觀てみると、ふくよかで、馬車の上から見下ろすだけであつて、氣品もあり、帽子の羽根飾り、黒貂の艶やかな毛並み、天鵞絨(ビロード)生地のふんわり感等描寫が細、かく貴族の令嬢らしさがふんだんに盛り込まれてゐました。

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2009年4月15日 (水)

開幕戰

 カタールのロサイル・サーキットで本年度の自動二輪(バイク)周回軌道競走(ロードレース)最高峰、MotoGP第一戰が開始さる。昨年より、歐州の放送黄金時間(ゴールデン・タイム)に合はせて夜中に開催してゐる爲、熱砂の戰ひではなく、深夜の眠氣と照明の眩しさや、道路に殘る砂に惱まされ、その上、今年は雨に祟られる。

 排氣量125cc級は途中から雨が降り出し、滑るだけでなく、路面に照明が反射して危險故、僅か4周で終了。競走成立。出鼻の出走に失敗し、後退せし選手が巻き返しを圖る間もなく終了すれば、さぞかし欲求不滿が殘るや否や。

 250cc級は、豫選2位に附けてゐた青山博一選手が大きくコースはみ出し、一時は8位まで後退したものの4位で終了。契約更新後に、突然解雇されて後、座すらもなき状態より、よくぞここまで來てくれたもの。同胞に甘い自分としては、是非とも次戰茂木では優勝して欲しい。

 今年から、タイヤはブリジストンのみ、金曜日の豫選で走る時間も減らされ、内燃機關(エンヂン)使用數制限等、あらゆるところで經費が削減され、このご時世での存續に力が入れられてはいるものの、地球に優しくない夜間走行など疑問に思ふことも多い。

 そして、雨天翌日に順延になつたMotoGPは前評判通り一昨年のチャムピオン、豪州人ケーシー・ストーナーがまた優勝。我らのヴァレは二位に食ひ込むものの優勝できず。茂木も得意なコースではないものの、是非勝つて欲しい。今年、250ccからMotoGPへ上がったルーキー、高橋裕紀は何とか點數を稼いでくれました。來週金曜日から茂木でMotoGP日本グラン・プリ開催なり。

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2009年4月14日 (火)

番宣

 先日のロケーションは、4月15日(水)16時より、TBSで放送される「夫婦道ナビ」でした。
 水曜日、夜9時からのドラマの番組宣傳の爲に作られたもので、どの程度映つてゐるかは全く判りません。これを見た人が、お客さんとしていらして頂ければよいのですが…。

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2009年4月13日 (月)

ワルキューレ

 新國でキース・ウォーナー演出の樂劇《ワルキューレ》を觀る。今まで自分にとつてこの作品は、映畫《地獄の黙示録》以來、特別なものだと思つてゐましたが、前衛美術(ポップアート)に見慣れた所爲か、受け手の過剰な意氣込みが消え、肩肘張らず自然體で聽くことができました。

 最初にヴォータンが現れ、小さな鑓を地圖に刺すと、現實社會にも空から大きな赤い鑓が降るやうな演出となり、ヴォータンの意思が世界を動かしてゐる感じを現してゐます。木造の四角四面なフンディングの館が、映寫されてゐる構圖の續きなのでせう、やや歪んでをり、巨大な卓子と椅子が並び、天井から鑓が刺さつてゐて、そこに神劍ノートゥングが刺さつてゐます。寝室前の扉横にフンディングとジークリンデの大きな結婚寫眞が飾られ、略奪された花嫁かも知れないが、秩序ある犬族の長だと表現されます。

 狼族の生き殘りとしてお尋ね者のジークムントが一夜の宿を借りに這入つたのが敵方の長フンディングの館でした。翌朝決闘を申し渡され、絶對絶命の中、生き別れた双子の妹ジークリンデがその妻だと分かり、父が託した劍を抜き、その場でフンディングを殺すことなく二人で驅け落ちするのでした。ジークリンデ(マルティーナ・セラフィン)の聲量餘りあるのに對して、ジークムント(エンドリック・ヴォトリッヒ)は筋肉質な割に聲は通らず殘念でしたが見榮えはよい冒險活劇。

 第二幕はヴァルハラの入り口として描かれた飛行機の搭乘口のやうな真っ白な通路が在り、そこから天空に出られ、足下には地上圖が廣がつてゐます。ヴォータン(ユッカ・ラジライネン)のところへ愛馬グラーネ(木馬)に跨つたブリュンヒルデがやって來たり、ジークムントがお告げを聞くのは夢の中であつたり、割と自然に解釈できる内容でした。此処では正妻フリッカ(エレナ・ツィトコーワ)のヒステリックな怒りが見事、家長としてのヴォータンも結婚の契りの前に本意を翻して息子ジークムントを殺させねばならない夫婦愛憎劇。ブリュンヒルデ(ユディト・ツィトコーワ)はやや太め乍ら、力強い聲は女神らしく猛々しい。

 第三幕は父の命に背いたブリュンヒルデを罰する爲ヴォータンがやって來るのは、ワルキューレ達が居る病院の中央廊下。戰上で傷附き、此処に擔ぎ込まれ、死者として敷布の掛けられた勇者は、移動寝臺から突然、ワルハラへ連なる奧の廊下へ歩き出す樣はまるでゾンビのやうです。ワルキューレたちは赤十字の盾にフェンシングの防具のやうなものを身に附け、劍道の面を被り、白衣を着て手術用エプロンを下げてをり、看護婦と云ふよりは危ない研究員のやうな出で立ちです。
 ヴォータンとブリュンヒルデだけになると、場面は遠ざかり、大きなグラーネが地下から出て來て、親子二人のカ過去を思ひ起こす構圖です。やがて彼女の希望を受け入れ、金屬寝臺に寝かされると周りに火を燈し、映寫を繰り返すヴォータンだけが殘り、指環奪還の夢をジークフリートに託すのでした。父娘親愛劇。

 色使ひがややけばけばしいものの、嚙み砕いたやうに意圖が汲み取れる演出もなかなかのものでした。エッティンガーは聽かせ所はたっぷり伸ばして(或ひは遅すぎるところも)、オケだけで進むテムポは齒切れよく、規模(スケール)の大きな表現でしたが、ややもすると東フィルの金管が附いて往けず足並みの亂れもあるものの、相對的によくやってました。師匠の重々しさが抜けるときっとエッティンガーらしさが出るのでせうが、まだまだ模倣故獨創的ではないものの、職人らしさが宿った高得點の演奏に大滿足でした。《ジークフリート》が來年と云ふのは間を空け過ぎですね。

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2009年4月10日 (金)

再出發

200903291143000200903291156000 この間、わざわざ千葉縣まで出向いたのはもうひとつ目的がありました。それは青山周平選手の激励です。
 昨年、WSBの所屬班(チーム)から契約金として手渡されてゐた小切手が不渡りになり、突然文無しとなつただけでなく、結婚したばかりの伴侶の爲にもライダーとして再出發を誓ひ、ラーメン屋で働き始めたと云ふ記事を讀んで、それなら應援しに行かうと、市原市まで赴いた譯です。

 「麺や紅丸(アカマル)本店」は新興住宅街に在つて、随分と混んでゐました。名前を書いて並ぶと割と直ぐにカウンターに座れ、献立表を見乍ら娘たちは「ラーメン、つけ麺、僕イケメン」の大合唱で恥ずかしいことこの上なし。
 自分は早速、自慢の「炒め野菜つけ麺」を註文。つけ汁と云ふよりもやし炒めスープ状態に、はみ出した煮豚も肉厚で旨い。そこに冷やしてキリリと締まった麺をつけて食べます。ボリュームたっぷりで、最後は冷めてしまったつけ汁に出汁を足して、スープとして戴きます。
 苺を食べ過ぎた娘が食べ切れない位の分量の半チャーハンがたったの400圓にも驚きましたが、手頃な値段故、何かのついでに寄りたい所です。

 脂ギトギトの豚骨は敬遠するのですが、鰹出汁の醤油味に野菜炒めの油が絡んで濃厚な味はひが素敵でした。會計の際にご當主に伺つたら、周平選手は夜ご出勤とのこと。然も、現在はMotoGP、日本グラン・プリ出走が決まり、練習に励むだけでなく、企劃(イベント)に呼ばれて忙しいのだとか。一昨年の茂木での250ccポールポジションは忘れられない勇姿でしたから、是非、また世界の舞臺で活躍して貰ひたいものです。

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2009年4月 9日 (木)

200904011746000 散り行く櫻柄の替はりにもう一部屋は「藤の花」です。苗字の一字だけでなく、家紋にも入つてゐますから、ふんだんに藤柄を使ひたいところです。併し、なかなか意匠や圖柄がよいものがありません。やっと見附けたら横であつたり…。これもふじ屋さんのものです。

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2009年4月 8日 (水)

菖蒲

200904011747000 今年の染井吉野は開花宣言から、ずっと氣温が低く満開まで随分と時間が掛かりました。櫻が咲く頃に先驅けて替へた手拭ひ額は、ふじ屋さんの「菖蒲」です。

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2009年4月 7日 (火)

櫻花爛漫

200904051631000200904041144000 今年の櫻は開花宣言が出されてから寒さ續き故、途中雨にもめげず、見頃が長かつたやうです。丁度、入學式に重なり感激一鹽の學生さんもいらしたことでせう。
 先週末撮った近くの櫻と原宿の東郷神社櫻です。

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2009年4月 6日 (月)

収録

 先日、テレビ番組の収録がありました。對談及びそれを別室で見る他の人々の雑談、そして一緒に食事と云ふ構成で4月からの番組宣傳の爲の特別番組の収録でした。

 何だか知りませんが、どうしてこんなに人が必要なのかと思ふ程の大勢がやって來て、照明、音聲、撮影の設營後、俳優さん到着、使つてゐない部屋が控へ室になり、慌ただしい中で始まりました。無理難題とまで言はなくても、事前の打ち合はせと違ふことが山程出て來て、その調整がたいへんでした。これが宣傳になるのならいいのですが…

 孰れにしても、放送日が決まり次第お知らせしませう。

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2009年4月 3日 (金)

水耕栽培

200903291012000 東京灣横斷道路「アクアライン」の値下げに合はせ、子供を連れて、苺狩りに行きました。そこは水耕栽培故、屈まずに摘み取れます。發泡スチロールで蓋をした水槽の上に、四角い鉢が並び、鉢の表面は苔が覆つてゐて乾燥を防いでゐるのでせう。果實が垂れ下がつて、側面の黒いビニールの前まで來てゐるものは光の反射がない分甘味が多い感じですが、「章姫」と云ふ品種の所爲か、水耕栽培の所爲か、全體にやや薄い味はひです。

 一所懸命作業されてゐる農家の姿を見ると、かう云ふのもありだとは思ひますが、見た目は變はりないのに、何か物足りない感じがします。

 以前盛り土の苺を手摘みした際は大事の氣を吸つた瑞々しさと、豐かなミネラル分に甘味が凝縮してゐて感動すら覺へましたから、やや期待はずれ。その上、大人\1,400、子供\1,200、30分間食べ放題は決して安くありませんでした。

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2009年4月 2日 (木)

退團

 マサトさんのブログ「伯林中央驛」で知ったのですが、伯林フィルの主席提琴奏者(コンツェルトマイスター)の安永徹さんが退團するのに際し、獨逸聯邦功勞賞が授與されたのだとか。

 伯林で働いてゐた頃、時折自分の勤めてゐた店にいらしたので、直接伯林フィルの切符をお願ひすると、これ以上ない最高の席を用意して下さり、數々の名演奏に接することができました。
 日本に戻つてからは、勝手に年賀状を送つてゐたのですが、空港で偶然お遇ひした際に、子供のいない夫婦に家族寫眞は失禮だと奥樣にきついお叱りを受けてショックを受けたものです。親父の代からなので、1970年代からずっと我が家は家族寫眞の年賀状でしたから、それが人に不快な思ひをさせるなどと考へてもみませんでした。
 それを惡意に取られて、吃驚するどころか衝撃でした。こちらとしては、たかだか、ご機嫌伺ひのつもりでしたから、ファンの年賀状で傷附けられてゐた奥樣の心中を理解するのに、だいぶ時間も掛かりました。以來、一寸した知り合ひ程度にはもう年賀状は一切出すのを止めました。

 そんな個人的な思ひ出はさてをき、今後のご活躍を祈るばかりです。

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2009年4月 1日 (水)

學割

 本日より通信制大學の學生となり、學割が使へます。四月嘘ではありません。

 8科目、20單位取得を目指し、調査・研究報告書(レポート)を書き、ほぼ一週間の面接授業(スクーリング)に行き、實習を重ねて資格を取ります。表装も習つてゐるのに、更に自分を追ひ込むやうですが、人生是勉強と心に据えて頑張ります。

 後で聞いたら、「科目別等履修生」は學割使へないさうです。トホホ

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