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2009年5月21日 (木)

伊勢音頭鯉寝刃

 住大夫&錦糸の語る《伊勢音頭戀寝刃(イセオンドコイノネタバ)》、〈古市油屋の段〉は大勢の語り分けも鮮やかに、特にチャリ場と云はれる笑はせる場面では、仲居萬野の嫌味たっぷりな樣が見所でした。久し振りに澄み切った住大夫の語りの冥利を聽けて幸せでした。

 後半の〈奥庭十人斬りの段〉は主人公福岡貢は主人が遊女に入れ上げた擧げ句に取られた名刀「青江下坂(アオエシモサカ)」と折り紙(鑑定書)を取り返す爲に、遊女お紺に探りを入れさせてゐましたが、取り違へたと氣附いた刀を取り返さうと萬野を打ち附けてゐる内に、鞘が割れて斬つてしまひ、それから取り憑かれたやうに仲居や女郎、遊女を次々と手に掛けて、最後には本懐を遂げて「青江下坂」と折り紙を手に入れるのでした。

 その十人斬りが凄惨を極める殘酷な場面になるのですが、人形なので手足や頭が飛んでも現實的でないのが救ひでした。津駒大夫&寛治も飽くまで物語りとしてゐるので、三味線の描寫も繪空事となり、目を覆ふこともありません。ベテラン揃ひの晝間公演はよいものが續きます。

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