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2009年5月22日 (金)

蛇身

 文樂東京公演、5月の第二部最後は《日高川入相花王(ヒダカガハイリアヒザクラ)》。安珍と清姫の道明寺傳説の物語です。安珍の正體は朱雀天皇の弟、櫻木親王なのですが、左大臣藤原忠文に陥れられ都を追はれてゐます。〈真那古庄司館の段〉では都で安珍を見初めた清姫が戀心に燃え、櫻木親王を逃す爲に父親が許嫁だと許可するものだから、おだ巻姫と云ふ妻があるのも知らず、喜びます。併し、追手が迫り、おだ巻姫と共に道明寺へ落ち延びたと知った清姫は裏切られたものと嫉妬に狂ひ、〈渡し場の段〉でつひに蛇身となつて川を渡り、安珍を追ふのでした。

 この嫉妬から蛇になるのに、「ガブ」と云ふ特殊な頭を使ひます。からくりで鬼になる樣はなんとも恐ろしい。紋壽の操る人形が艶やかだからこそ、餘りに一途な女心の恐ろしさと哀れさが強調されて素敵でした。咲大夫の切り場はやや、一本調子で殘念でした。初めて觀る「ガブ」、川を渡る途中突然蛇に樣變はりするのも人形ならではのもの。女は恐ろしい。

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