治部少輔
金澤で治部煮に出遇つてから、石田三成の本を見附けて讀んでみることに。
和田 竜『のぼうの城』小學館は行政官僚として秀吉の下で腕を奮ったことではなく、秀吉の小田原攻めに合はせて、忍城攻めを仰せつかり、利根川と荒川を堰き止めて、水攻めをしたものの失敗した話を描いてゐる。
本屋の店先で評判良しとの札を見たのだが、石田勢2万3千兵に對して、僅か2千の寡兵で防いだところが面白い。然も、忍城を守る「でくの坊」を略して「のぼう樣」と慕はれる成田長親の不思議な魅力、家臣たちの個性的なところも魅力で、史實通りかどうか判らないが、痛快戰國繪巻として一氣に讀んでしまつた。映畫化に向く内容なので映像として見ると、面白いかも知れない。
惡く云ふと奧行きがなく、會話が現代語なので違和感もあるが、話の流れや小氣味いいテムポで自分は氣にならなかった。歴史好きな女性を今は「レキジョ」と申すさうであるが、お勸めである。
![]() | ![]() | のぼうの城
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