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2009年7月14日 (火)

見せない工夫

K1 京都でのスクーリングを前に念願叶って「桂離宮」を拝觀。3箇月前に宮内廳に申込み、其の申込用紙と共に本人確認の上、やっと入場できるが、苔保護の爲、飛び石の上だけを歩くやうに細かく指導され、小雨の中解説附きで園内をぐるりと巡る。しっとりと濡れた飛び石や苔の風情がよく、梅雨時の瑞々しい美しさが際立つてゐた。

 當時は正門から這入り、お輿(コシ)を降り、薩摩藩から寄進された蘇鉄の前の東屋で一旦待たされ、それから移動するのだが、桂川の川の水を引き込んだ池庭は入り組み、全部が見渡せないやうに工夫され、各所に茶室が點在し、四季折々の木々の移ろひや月を愛でるやうになつてゐる。何とも風雅は佇まひであることはブルーノ・タウトの日記から知つてはゐたが、これほどとは。細かい遊びや工夫が随所に施されてゐる。そして、入母屋造りの御殿からは全てが見渡せる構造だ。月見臺まで施し、館の正面から昇る中秋の名月を樂しもうと云ふ發想も素敵。

 併し、考へてみれば現在の天皇のやうに公務で外出することもなく、御所に軟禁状態の江戸時代初期の宮家の唯一の遊び場でもあつた筈だから、可能な限り創意工夫でもして樂しむ以外に何ら心休まる場所もなかつたと思ふと不憫にも思へる。

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著者:ブルーノ タウト

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