« シェイクスピア | トップページ | ミュージアムセミナー »

2009年9月29日 (火)

文樂三昧

 今月の文樂東京公演は3部に分かれている故、時間の遣り繰りもたいへんである。

 第2部前半、《伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)》の〈沼津の段〉は三大仇討ちのひとつ、荒木又右衛門の仇討の裏側で敵味方に分かれてしまった家族の悲劇を描いてゐる。
 住大夫の名調子、それを支える錦糸の太棹三味線と息の合った演奏に、蓑助の十兵衛は凛としてをり、勘十郎の平作はほんたうにお爺さんで、ここから驅け寄り肩を貸したくたくなる程。それぞれ人形たちが生き生きとしてゐた。

 それに続く《艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)》の〈酒屋の段〉は嶋大夫の語るお園のクドキが切なく、悲劇の世話物の深い味はひがあった。女房があり乍ら、遊女三勝に入れ上げた擧げ句に子供なでなした半七は、身請け話の縺れから誤って人を殺し、下手人となつてしまふ。死への別れの前に實家に子供をあずけ、外から樣子を伺ふものの子供に逢ふこともできず、別れて行く。お園を演じる文雀の細やかな藝も鮮やかであつた。

|

« シェイクスピア | トップページ | ミュージアムセミナー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/41030/31400543

この記事へのトラックバック一覧です: 文樂三昧:

« シェイクスピア | トップページ | ミュージアムセミナー »