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2009年10月 7日 (水)

素淨瑠璃

 日經ホール杮落し記念公演のひとつ、竹本住大夫の素淨瑠璃を聽いた。《菅原傳授手習鑑》より〈佐太村櫻丸切腹の段〉と對談。前から二列目故、ホールに響く聲ではなく、直接身體から發せられる大迫力。金屏風前に住大夫と錦糸の太棹のみ。

 CDでは聽いてはゐるものの、實際の舞臺は未だ見たこともない。人形もなく、字幕もないのに、きちんと演じ分けられてゐるので安心して聽けるどころか、好々爺の白太夫の心情が變化してゐるのが手に取るやうにわかる。死を覺悟した櫻丸と悲嘆に呉れる妻・八重の別れ、腹切刀を渡す父・白大夫。三人のそれぞれの思ひが肚の底から湧き上がる聲に乘り、スペクタクルなドラマとして語られる。
 白太夫が「泣くな」と言へば、八重が「あい」と應へ、幾度も遣り取りする切なさ。そして、白太夫の「なまいだ」を繰り返し、「南無阿弥陀佛」と言ふ最高潮。錦糸の撥捌きも冴へ、情を語る至福の藝事を聽くことができた。

 赤川次郎との對談は日經の司會会者が巧く師匠から話を引き出し、肚を使ふ、眉間から聲を出す、息遣ひだとか細かい技を傳へてくれた。若い頃日々聞いて、真似して學へて來たものだといふ。早く、後繼ぎが育つて欲しいものだ。何せ、師匠ももうすぐ85歳…。

 

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