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2009年12月 4日 (金)

北歐家具

Operacity オペラシティもすっかり基督降誕祭仕樣になつてゐた。

 さて、瑞典(スウェーデン)の家具イケアが以前の撤退をものともせず、再度出店して好調なやうだ。我が家でも幾つか使つてゐるが、北歐の家具は簡素な意匠乍ら使ひ易いものが多い。リラクゼーション空間を探求し續けた丁抹(デンマーク)の意匠家、「ヴェルナー・パントン展」を觀た。

 鐵線や新素材であつたプラスチック一體成型と云ふ世界初の手法で、流れるやうな形を實現し、奇抜な意匠で家具だけでなく、部屋や展示場のやうな空間意匠も手掛けた人だ。真ッ黒な壁の前に椅子やや照明は飾つてあるのだが、奧へ進むと靴を脱ぎ體感する作品もあつた。
 「ファンタジー・ランドスケープ」は「未来の室内」を骨格發想に洞窟のやうな誂へで、自由に座ったり横に臥せつて感じることができる。但し、赤や青の原色のソファーがそのまま天井に繋がっているやうな感じで、360度見回しても、フェルト生地に囲まれて、何だか體内か腸の中に居るやうな閉塞感を味はふことになる。何時の間には消化液が出て來て、消されてしまふやうな不安を味はつたが、若い女性は其処に嵌るやうにして寝轉がり本を讀んでゐたのだ。正しい體感だが、正直これには驚いた。自分はとても落ち着かず、60年代、70年代の幻覚や陶酔状態(サイケデリック)な樣相に頭がクラクラしたのにである。若人恐るべし。未來は薔薇色に考へられてゐた當時の感覺、大阪萬博の假設展示館(パヴィリオン)で見たやうな派手さと幾何學模樣は自分には俗惡にしか感じられない。

 階上では、東京オペラシティが蒐集した収藏作品、「奥山民枝」と「住田大輔」の作品を纏めてそれぞれ觀ることができた。自然の中に肉感的なエロティシズムを見出した奥山に對して、住田はねっとりとした色の重ねの質感でアニメのやうな油彩を描いてゐた。孰れも全く好きになれない作品ばかりなので、逆に興味深かった。こんな機會でもないと、決して見ないからだ。細部に亘って丹念に描かれてゐる。實に細かいので、そこから何か發しやうとしてゐる強烈な個性はある。でも、好きにはなれなかつた。

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コメント

私自身もアアルトなどの北欧家具とバウハウス家具を一緒に自宅で使っています。1920~30年代にデザインされたものなのでうまく融合します。シンプルさが好きです。
また、イッタラなどの食器も好んで使っています。

投稿: MO | 2009年12月 5日 (土) 07時54分

おお、MOさんはよい審美眼をお持ちだ!

投稿: gramophon | 2009年12月 7日 (月) 13時13分

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