« 親父たちの對談 | トップページ | 拝む »

2009年12月 7日 (月)

日本美術展覧會

Sinbi 新國立美術館で第41回「日展」を觀る。ご存知の通り、100年以上の歴史を持つ王道を行く全國規模の公募展覧會のこと。日本畫・洋畫・彫刻・工藝美術・書と各分野に分かれ、入賞數も格段に多いが、近年應募も入場者數も減って來てゐると云ふ。少子高齢化の影響は彼方此方に出てゐるやうだ。

 日本畫では蓼科の實習で擔當した大嶋秀信や、奈良万葉文化館で知つた加藤美代三等、まるで舊知の間柄のやうな知人に出逢つたやうな嬉しさを覺へる。大嶋は好みの青を主に描かず、稲穂の黄金色に真っ黒な空と一部夕燒の殘る赤い空を描いた「草原」、加藤は山野風景ではなく木々の下に寫る鯉の居る池「庭の池」をやんわり描いてゐた。
 洋畫では成田禎介の日本アルプスから手前の岩山、そして眼前の林に至るまで細かく、寫眞のやうにきっちりと仕上げた繪「巌山の風景」が一番気になり、續いて特選を取つた佐藤祐治の「古城の村」の俯瞰した構圖で一枚一枚煉瓦の瓦を描き出してゐたのが印象に殘つた。トスカーナであらうか、見たことのあるやうな風景に釘附けになつた。
 希臘彫刻と違ひ女體の神秘や若さを彫った彫刻が多く、工藝ではこれが革か、漆かと驚くような技法の作品が並び、書はひとつも讀めやしないけれども、作者の氣迫を感じさせる大擔なものから、假名文字の流れるやうな美しさまで色々あり、一々納得して見てゐた。額装だとか、裂地やマット紙も氣になり、巻子も表具師が仕上げるのか、餘計なことばかり氣になつてしまつた。
 これ程、大きな作品ばかり並べるのは並大抵ではない筈。順番を決めるだけでも、相當骨を折っただらうとか、考へてしまつた。

 外には紅葉、斜めの光が入り口をクリスマスツリーのやうに見せた。

|

« 親父たちの對談 | トップページ | 拝む »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 親父たちの對談 | トップページ | 拝む »