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2010年1月19日 (火)

應援團

 知人の作家や演奏家はワイナリー同樣、常々應援したいと思つてゐる。漆藝蒔繪作家の箱瀬淳一さん、李荘窯の寺内信二さん、同じく有田燒の14代今泉今右衛門さん、關の刀鍛冶、25代藤原兼房さん、義太夫三味線の野澤錦糸さん、薩摩琵琶奏者の友吉鶴心さん、提琴奏者の佐藤久成さん、それに最近紹介して頂いた浮世繪の六代目歌川國政さん、と随分と知り合ひも増えて來た。

 そんな自慢話はさてをき、今回は本の紹介なのだ。一度、山下裕二さんの話を聞いてから、日本美術の見方はすっかり變はつてしまつたので、赤瀬川原平さんとの共著を讀んでみた。來月、東博(東京上野の或る國立博物館を業界ではさう略すらしい)で開催される長谷川等伯の「松林圖」なんか没原稿を後の人が屏風に仕立てたんだとか、吃驚するやうなことが書かれてゐた。素人は素人らしく、前説明も知らず、理解するのでなくて感じればいいんだと素直で嬉しい。

 京都のお寺だって、修學旅行で子供が連れられて見たって、行った記憶だけ。一緒に行ったクラスの女の子が氣になつたりして、佛像なんか見てゐない。だから、40歳過ぎてから自分の意思で行くのがいいと云ふのだ。

 昨年、學藝員の勉強で随分と展覧會に通つたが、確かに、大人になつて、色々經驗を積んでから觀ると、感じ方がまるで違ふ。20代の頃は西洋ものなら、歐州在住の折に随分吸収し、何でも感動してゐたのが、30代になると、これ知ってる、あれと同じだと知識が先行してしまひ、全然樂しめなかった。それが、どうだらう。滅茶苦茶、樂しく、面白い。何でここまで細かく几帳面に描けるかと思へる伊藤若中であつたり、掛軸の實習で雪舟の「秋冬山水圖」の複製で親しみを覺へたものが、矢張り變は描き方であつたとか、さうであつたかあとつひ納得してしまふ。年明けに讀んだ本の中では一番のお勸めとなつた。

日本美術応援団 (ちくま文庫)Book日本美術応援団 (ちくま文庫)


著者:赤瀬川 原平,山下 裕二

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京都、オトナの修学旅行 (ちくま文庫)Book京都、オトナの修学旅行 (ちくま文庫)


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» 赤瀬川原平『老人力』 [愛と苦悩の日記]
■最近はなぜか赤瀬川原平ばかり読んでいて、今さらながら『老人力』を読んだ。本書の内容についてはここで述べるに及ばないと思うが、エッセーのところどころに、どうも理屈っぽくなっていけない、という自省の言葉がちりばめられている。赤瀬川氏の文章が理屈っぽいんだとすれば、このホームページのエッセーはさしずめフッサールの『論理学研究』といったところだろうか(と書いても分かる読者が何人いるか)。こちらは通勤電車...... [続きを読む]

受信: 2010年1月22日 (金) 12時08分

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