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2010年1月12日 (火)

小村雪岱

 年が明けてから、埼玉縣立近代美術館をへ。北浦和驛から公園の真中へ3分。山下裕二さんお勸めの「小村雪岱のとその時代」を觀た。

 泉鏡花の本の装幀や挿繪を描き、歌舞伎の舞臺美術で戰前に活躍したマルチタレント。「昭和の春信」と呼ばれた小村雪岱(せったい)は忘れ去られてゐる。

 最初は資生堂で意匠をやり香水瓶を考へたりしてゐたのが、装幀になると見返しに意表を突く小説の場面を描いたり、着物の意匠も手掛け、美人畫はどれも同じやうな顔なのに飽きない。細面でゐて首の長い美人竹久夢二
ぽさを見出してしまふ。一轉して、歌舞伎の舞台繪は大道具で觀られないのはざんねんだけれど、小さな繪の中にきっちり無駄なく描かれてゐるので美術さんも助かったことだらう。おとなしい性格もあつて、斷はれずにどんどん仕事も舞ひ込んだのに違ひない。日本畫や浮世繪の素養があるからこそできる仕事もある。《心中天網嶋》の繪なんかもいいだなあ。

 各時代に分けた展示も見易く、當時の雑誌もふんだんに挿繪部分や見返しが開かれて見せてくれるので、とても親切。ミュージアム・ショップの本棚も關連本が多く並び、わざわざ行くだけの價値はある。お勸めしたい。

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