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2010年2月 2日 (火)

アートソムリエ

 以前このブログで 山本冬彦 『週末はギャラリーめぐり』 ちくま新書、2009年 を取り上げたら、お禮にコレクション展覧會の入場券を差し上げたいとご本人からメールを頂き、吃驚した。精々一日50名程度の讀者しかゐないブログなど目に停まるとは端から思つてゐなかつただけに、感激すると共に多くの人が見てゐると思ふと手が抜けない。

 さて、その「山本冬彦 コレクション展」を觀に、千駄ヶ谷の佐藤美術館へ。副題に「サラリーマンコレクターの30年の軌跡」とある通り、ご自身が蒐集された作品が並ぶ。小さな會場故、建物の3~5階部分を使ひ、壁一面に小さな華が咲き誇るやうに、色々な繪畫(一部立體造形)が所狭しと飾つてあつた。
 美術館や畫廊に見られるやうな大版な作品はなく、壁に何げに飾りたくなるやうなものばかり。ご自身も自宅の空いた壁に何かを飾らうと考へて集めて來られたと云ふ、主張し過ぎない、邪魔しないやうな作品が多い。併し、佐藤さんの審美眼によつて選別された個性溢れたものなのだ。かうして見渡すとそこには個性がはっきりと浮かび上がり、蒐集家の視線と云ふものを意識せざるを得ない。

 今まで現代美術を飾らうと云ふ氣は全く自分にはなかつたが、唯一、智内兄助は知ってゐた。この人の和紙にアクリル絵具で描いた外人受けしさうな作品を銀座の畫廊で觀たことがある爲。但し、初期の作品なのであらう、今とは作風が違ふ。
 石居麻耶 「鳥の風景」 2005 は、青空に鴎の飛ぶ川沿ひの土手だか、海際の繪なのだが、細密に描き、油彩なのか、横に細長いでこぼこが聯續して、飽きの來ない繪であつた。これが一番氣に入つた。
 敬遠しがちな現代美術も、随分と身近に感じ、作品の理解とは別に、心地よさに溢れてゐた。

週末はギャラリーめぐり (ちくま新書)Book週末はギャラリーめぐり (ちくま新書)


著者:山本 冬彦

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