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2010年3月25日 (木)

東博で等伯

 没後400年記念の特別展「長谷川等伯」が東京、國立博物館の平成館で開かれてゐる。既に20萬人が見に來たと云ふ大人氣。自分も山下裕二さんが本の中で紹介したのを知らなければ行かなかったかも知れない。

 能登出身と云ふのも勝手に親しみを覺へる。佛畫を描いた初期から、年代順に並べられ、新しい雇ひ主を捜しに京都へ上り、肖像畫、絢爛豪華な金碧畫、超どでかい涅槃圖や信仰畫等、次々に編み出したことがよく判る。何と凄まじい上昇志向。狩野派から敵對意識をもたれても仕方ない。
 そして、晩年の水墨畫への傾倒、そして「松林圖」へと等伯の人生そのものを辿るやうなよく考えられた配置に感心した。筆一本で秀吉に認められる最高位迄出世したのに、作品はどちらかと云ふと繊細さが目立つ。決してパワー全面ではないのが面白い。

 特に氣に入つたのは、大黒樣が惠比壽様に顎ヒゲを引ッ張られる「惠比壽大黒・花鳥圖」は、微笑ましい。併し、髭を生やす身としては、惡巫山戯に痛いだらううなと大黒樣に同情してしまふ。何とも、怖ろしい人混みなのだが、ばったり知人に出くわしたり、思はぬ慶事もあつた。

 最後を飾る「松林圖」は墨の濃淡だけで松を描いて遠近感を出し、霧の中にぼんやりと浮かぶ樣が素晴らしい。しかし、山下裕二さんがこれは下繪を後の人が屏風に仕立てたのだらうと言つてゐた通り、未完に終わった印象が殘る。よく見ると左端には釣りをしているやうな人影らしきものも有り、右端にはぼんやり山も描かれてゐた。こればかりは印刷では分からなかった。

 賣店も人でごった返してゐたが、一枚の厚紙に印刷され、自分で折りたたんで飾ることのできるミニチュア屏風を見附けた。これhが、學藝員課程の課題で普及事業の一案と全く一緒だった。嬉しい反面、こちらが先に考へ出したのか、それとも東博か気になった。

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