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2010年6月16日 (水)

はやる氣持ち

 新國で歌劇《カルメン》を觀る。世界で最も上演回數の多い《カルメン》であり、何度觀たかも覺へてゐないし、多くの旋律が頭に入つてゐるだけに、多少下手でも小氣味よいテムポでぐんぐん進んでくれさへすればよい。さうすれば、西班牙情緒たっぷりの旋律がセヴィリアの街へと連れて行つてくれる。

 鵜山仁演出(2007年)の再演なので、合唱の動きもよく、無駄が無い。但し、マウリツィオ・バルバチーニの指揮は今まで聽いた中でも最も速く、きちんと歌わせてもゐるが、オケが附いて行つてゐない。東フィルにやる氣を全く感じない。然も、低音弦樂器を下手、木管を中央、金管を上手に配した爲、どうも音の釣り合ひが惡い。二階上手奧席故、金管が大きく聽こえ

序曲の頭からその速さに附いて行けず、アンサムブルが亂れる。カルメンはたっぷりと引き摺るやうに歌いたがるので、ぎくしゃくとした居心地の惡さも感じた。歌手陣は聲に伸びがなく迫力に欠けるものの、及第點か。

 演技だけを見れば、肉感的に魅惑を振りまくキルステン・シャベスのカルメンはファム・ファタルらしく、トルステン・ケールは田舎出身の優男が堕ちて行つても惡人に成り切れないドン・ホセをよく演じたが、ジョン・ヴェーグナーのエスカミーリオは年が行きすぎた老いぼれた感じでフェロモンたっぷりの魅惑な闘牛士には似つかわしくなかつた。そして、純真可憐な田舎娘のミカエラを濱田理惠が好演。

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