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2010年6月30日 (水)

厨房のピカソ

Pg1Pg2 「厨房のピカソ」との異名をもち、分子レベルで料理を考案する「分子ガストロノミー」を生みだしたピエール・ガニェールの新店へ、レス協の集まりで行った。ANAインターコンチネンタルホテル東京の36階に今年、3月に開店したばかり。料理雑誌でしか見たことのなかつた新進氣鋭の尖つた佛蘭西料理を堪能した。

 青山店は親會社の都合により閉鎖したらしいが、コシノジュンジョの制服、波紋を立体化したやうな敷皿、真白だが小鉢から大鉢、平皿など佛蘭西料理の概念を悉く打ち破る。皿の縁にも料理を盛ったり、和食のやうに小皿を幾つも一度に出して第一前菜としたり、真新しいことばかりをしてくれる。古典的な佛蘭西料理しか食べたことのない諸先輩方は目を白黒させてゐた。

 第二前菜のこの阿蘭陀獨活(アスパラ)のヴルーテ(滑らかなもの=この場合、冷製ポタージュの代はり)に蟹肉が浮かび、阿蘭陀獨活のアイスクリーム、生の阿蘭陀獨活の薄切りが添へられる等、斬新極まりない。然も、美味い。
 主菜は豚ロース肉のグリエなのだが、茄子のポワレ、酸味の効いた腸詰め(チェリソー)とコリアンダーのサラダが載せられて、野菜も澤山食べられる。奧に添へられてゐるのが、烏賊墨のピュレにハーブの効いた豚足と豚舌。これは名物のやうだ。自家製のパンも幾つも種類があり、皆食べてしまつた。

 後菜は三皿も出て重い。これは最初のもので杏仁豆腐のやうな滑らかな白い食べ物、そして縁に並べられた菓子類。孰れも美味。この後、果物の後菜、猪口齢糖(チョコレート)と續き、珈琲にてお仕舞ひ。
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 此処のマネージャー、佛蘭西人のミシェル・ドゥレピンヌ氏は私よりも先のくるっと曲がった髭なのだ。一目見て、お主やるなあと云ふ感じでつひ見入つてしまふが、知人から藤森さん負けてないよと言はれて、ホッとした。冷静に考へれば、敵でもなし、かう云ふ同胞に出會へるのは實に嬉しい。


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