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2010年6月17日 (木)

バイロス

 挿繪畫家フランツ・フォン・バイロス(1866-1924)の「背德のシンフォニア」と銘打つた展覧會を銀座のヴァニラ畫廊へ觀に行く。アール・ヌーヴォーからロココ調の装飾過多でゐて、淫靡な雰圍氣のある繪ばかり。名前は知つてゐても實物は初めてであつた。

 百貨店、松阪屋裏の雑居ビルの4階で出逢つた。この畫廊はどうやら、淫靡な繪を得意とするらしい。「ラブドール」や「伊藤文學コレクション~薔薇族周辺のゲイ・エロティックアート」を過去に開いてゐるだけでも異色。ごく普通の畫廊の筈だが、先入觀からか獨特な雰圍氣を感じ取つてしまふ。小さな作品ばかりなので額装した繪が二段になつて、明るく見易く展示してあつた。

 どの繪も卑猥。オーブリー・ビアズリー(1872-1898)と同時代の人なので、あの細密で小惡魔的なところは似てゐるかも知れない。暗い畫面に妙な格好をしてゐて、ふしだらな裸體が絡む構圖。廢退的と言つてもいい。紫煙の曇る、お金持ちの秘密倶樂部に這入り込んだやうに錯覺して來る。印刷されたカラー畫であらうと、陰湿でエロスな世界を廣げてゐる。晩年の大作ダンテの『神曲』(1921)の豪華挿繪入本も硝子ケースに入つて販賣してゐた。ラビリンスに足を踏み入れてしまつたのかも知れない。

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