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2010年8月25日 (水)

百段階段

 東京都指定有形文化財に指定された目黒雅叙園の通稱「百段階段」で「肥前X唐津 陶磁器展」があつた。1940(昭和15)年創建當時に、新鋭の畫家に各部屋の装飾用繪畫をお願ひした爲、贅を凝らした欄間や天井繪がぎっしり詰まつてクラクラウするが、柿右衛門、今右衛門それに太郎右衛門の三方の作品がそれぞれ似合つた部屋に飾られてゐる。

 いきなり「十畝(ジツポ)の間」には荒木十畝の四季の花鳥畫の描かれ、燒物の歴史と全國の燒物が飾られてゐた。黒漆螺鈿の梁などこんな豪勢な部屋で食事となると、相當氣張つて盛装して來ないと大負けしさうだ。次の「漁礁(ギョショウ)の間」は漆喰彫刻が柱から出ッ張り、金箔、金泥、金砂子も眩しくケバい。併し、其処に柿右衛門が飾られると、落ち着くから不思議。

 そして「靜水(セイスイ)の間」は何と、池上秀畝。弊社の掛け軸には十畝もあるが個人的には秀畝の方が好きだ。と云ふか舊友に遇つたやうな、妙な懐かしさを覺へた。オレは貴方のことを最前から知つてますと云ふ感じ。見學に來てゐるおばさんたちは一所懸命、食ひ入るやうに器に魅入つてゐるが、ひとり首が痛くなる程天井を見上げる自分。

 天井の大きな秋田杉には秀畝筆による鳳凰や舞鶴が描かれてゐた。欄間四方の小山大月の金箔押地秋草は移築の際に寸法を間違へたのか、妙なところに繼が入つてしまつて興醒めである。それでも、この落ち着いた雰圍氣に十代から十四代今泉今右衛門の作品が並ぶ。何とも居心地がいい。また、階段を上がると板倉星光、鏑木清方の部屋もあり、かう云ふ風情は他にない。ゴテゴテして、これみよがしのとこもあるが、60年を經た作品から毒も抜けて、落ち着いてゐる。

 この百段階段見學ツアーとお食事の組み合はせもあると云ふ。いつか利用してみたい。

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