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2010年9月24日 (金)

ライトの舊館

Raito 筑波へ新電車で行く。國際會議場にもなる、ホテルグランド東雲でレス協幹事會並びに食味研修會があつた。學園都市ができる前に総檜の和装建築のホテルを構想し、結果として皇居新宮殿のやうな趣の本館と、新館は帝國ホテルの舊ライト館のやうな雰圍氣を醸し出した優雅な館内。念願叶つて觀られ、感歎することしきり。

 細かい幾何學模様の素燒きのテラコッタが柱の角や照明の前に並べられてをり、天井の模様も角張った印象だが、きっと本家より幅廣く氣持ちがいい造りなのだらう。自分が物心附いた頃に潰された爲、明治村へ行かないと玄關部分しか見られないのだが、こんな雰圍氣であつただらうと思ふ。1929(昭和4)年に來航したツェッペリン伯號の乘客はきつとかう云ふ感じの廊下を歩き、廣々とした孔雀の間で食事をしたに違ひない。着陸した土浦近郊に期せずして再現されてゐるのも二重に嬉しい。

IseebiChozame 社長は和洋中折衷の宴會料理だと卑下してゐたが、とんでもない。地元素材をふんだんに使つた一流のもてなしであつた。先附、前菜に續き、プリプリとした小振りの伊勢海老は黄韮と炒めた中華料理で、土浦産の蓮根を籠にして盛つてある。久慈川産鮎の北条漬け、鮑と海鼠の醤油煮込み、朝採れトマトの雫(透明な液體の箸休め)、常陸牛のロースト等が續き、食事には筑波産の手打ちヤーコン麺と蝶鮫の手鞠寿司が出された。これは筑波市内でキャビアを採る爲に養殖されてゐると云ふ。それが癖のない白身魚であっさりとしてゐた。
 昨年、西班牙國王が筑波へ來られた際に仕出しを擔當し、王妃が突然この皿を所望され、豫備に持つて行つた幾枚かを差し上げたと云ふのだ。そんな逸話も聞くと尚更美味しくなる。
 港區で地産地消する食材は皆無だが、他店での食事は學ぶことが多い。

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