« 新作 | トップページ | ドイツワイン »

2010年10月29日 (金)

 先日、母を連れて「L'AMOUR 美輪明宏音樂會<愛>」へ行つた。昭和の流行歌とシャンソンを中心にしたもので、世知辛く乾いた世の中だからこそ、潤ひが必要だと、叙情的な歌ばかりを集め、妖艶な世界で歌ひまくる。

 御年75歳でも歌つて踊れるのは常人を越えてゐる。併し、さずがに氣色惡い氣もして、落ち着かないものだが、自身の浮き沈みの激しい人生から學んだことを語り、見返りを求めない、與へ續ける愛を歌で表現して行く。その内に、ずるずると美輪の術に嵌り、第一部の終はり、自身の作詞作曲した「金色の星」「愛の贈り物」を聽く頃には、すっかりその世界に浸たつてしまふ。

 美を體現するの異端者だからこそ見える世相であつたり、異端者としての辛さをバネに愛を求めるのではなく、與へるものだと、繰り返し語る。人の所爲ではなく、些細なことに感謝する心があれば、世の中の見え方が違ふのだと。

 美輪の獨唱會を「魂の浄化」と表現した人がゐるが、おばちゃんたちの拍手喝采、スタンディング・オベーションに應へ、妖魔の幻惑か、アンコールで「愛の賛歌」を歌う姿は金色の吹雪の中に立つ慈愛に滿ちた觀音樣のやうに見えた。今後も迷へる現代人、衆生済度を救つて欲しいものだ。

|

« 新作 | トップページ | ドイツワイン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/41030/37382324

この記事へのトラックバック一覧です: :

« 新作 | トップページ | ドイツワイン »