« 靜謐 | トップページ | 柚子 »

2010年11月 8日 (月)

超絶技巧

 佐藤久成さんの提琴獨奏會に東京文化會館小ホールへ行く。叙情的な曲が並ぶ、いつも乍らの超絶技巧も含む愉快な演奏會だつた。本邦初演のライネッケの提琴奏鳴曲は、練習をかなり積んだのだらう、すっかり自家薬籠中のものとなり、餘裕綽々とした演奏だった。技を見せ附けるでもなく、淡々と演奏してゐるのに訴へ掛けるものが多い。

 ラベルの〈ツィガーヌ〉の早い箇所はどのやうに彈いてゐるのかもう全く運指は見えない。それでも彈き零しがなく、完璧なのだ。
 もしケチう附けるとすれば、樂器が鳴り切れてゐないのか、佐藤さんの技と相性が惡いのか、演奏に附いて行けないのか、響き切らない。これが銘器ストラディヴァリウスなら應へ切れるのだらうか。舌を巻く腕前に感心するだけでなく、曲目の深い部分での共感が滲み出るよい演奏であつた。

|

« 靜謐 | トップページ | 柚子 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/41030/37499912

この記事へのトラックバック一覧です: 超絶技巧:

« 靜謐 | トップページ | 柚子 »