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2010年11月 5日 (金)

靜謐

 作品を觀てゐて、普段は使はない靜かで落ち着いている樣を示す「靜謐(セイヒツ)」と云ふ言葉を思ひ浮かべた。只今、三井記念美術館では「圓山應擧展」が開かれてゐるが、初期の「眼鏡繪」から大膽な構圖の「襖繪」まで網羅して、素敵な回顧展となつてゐる。

 西洋から傳はつた遠近法を驅使して細密に描かれた眼鏡繪は、當時「覗き眼鏡」と云ふ名で親しまれたもの。凸レンズを嵌め内側の繪を覗くと、立體的に見えたらしい。それに比べると、初期の襖繪は遠くで見るべしと云はんばかりに雑なのにも驚いた。枝が繋がつてなくても、近くで見なければ特に氣にならないから不思議。
 そして、屏風繪も餘白を活かした描き方が近代的でもあり、何とも大人しい、靜かな佇まひなのだ。ここから京都畫壇に通じてゐる何かがあるのだらう。「靜謐」の一言で片附くものではないのだが、きっと、お寺さんで襖を開けた途端に、聲を失ふ程の強い印象を與へたに違ひない「襖繪」も見事。是非、疊の上で見たかった。

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