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2010年11月17日 (水)

實況視點

 蹴球の試合は別會場の大畫面に投影させることもあるが、歌劇はまだ少ない。紐育のメトロポリタン歌劇場がやつてくれた。初日の公演模樣を録畫し、場面によつては大冩となるので双眼鏡も要らないし、最新音響設備で聽くこともできる。この實況視點(ライブ・ビューイング)は來夏迄、歌劇季節(シーズン)を通じて續けられる。

 ワーグナーの樂劇《ニーベルングの指環》の序夜《ラインの黄金》新演出を新宿ピカデリーで觀る。ロベール・ルパージュの演出は度肝を抜く大膽なもの。機材だけでも28屯もしたので、建物を補強せざるを得なかったと云ふ大規模で、舞臺に直角に並んだ板が波を打ち、一回轉をする上、最新技術により、宙吊りとなつたライン乙女は歌ふ度に口から泡が出る、ローゲの足下では常に火が燃えさかり、ヴォータンがニーベルング族の住む地下へ降りる際にも、板が螺旋状に並ぶ、吊られてヴォータンが真横から徐々に普通に歩いて行くなど、普通では決して見られない素晴らしいものであつた。

 極めて中庸なレヴァインの指揮は安定してをり、ブリン・ターフェルのヴォータン、エリック・オーウェンズのアルベリヒは痺れる程の演技と歌聲であつた。これは紐育の現地で是非觀たくなる。その爲、寄附のお願ひもきちんとしてゐるところが素晴らしい。かう云ふのを文化と云ふのだらう。

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